貧乏お嬢さま、メイドになる
原書房
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物語の舞台は20世紀初頭のスコットランド。
英国王族とはいえ王位継承権34番目のジョージーの暮らしは公爵令嬢とは名ばかりの貧乏生活。
お金はないのに立場が邪魔をして働くことすらままならない。
このままでは最悪の縁談相手と結婚させられてしまう。
思い切ってロンドンへ逃げ出したジョージーは、周囲に内緒でなんとメイドを始める。
彼女は慣れない掃除に四苦八苦しながらも、新しい生活を楽しんでいたが…なんと殺人事件に巻き込まれてしまう。
ジョージーは境遇の割に親しみ易く、過去の経験からかサバサバした性格で頼もしい。
読み始めてすぐ彼女の活躍が楽しみになった。
なんかこう周囲の嫌な人や迷惑な人が悪人ってわけでもないのがリアルかも。
オマーラはそんなに好みの人物でもないけれど、彼とジョージーが一緒に行動するシーンはわくわくしていい。
厳しい状況なのにジョージーは前向きなのでそれを感じさせない。
そのせいで余計に兄のビンキーが情けなく見えちゃうな。（亡くなってる父親も；）
ロンドンに来てからの彼の言葉には呆れしまった。
お金がないのに働くとまずいというのは本当に厄介だな…
仕事を始めてこれからどんな依頼が来るか期待していると、急展開でサスペンスに…
これまたまずい場所で殺人事件が起きたな。
ダーシーがそれほど好みじゃないのでロマンス面はイマイチ。
でも、ミステリやサスペンスとしては嫌いじゃない。
ダーシーはともかくベリンダが信用できなくなったのはショックだった。
素行はよくなかったみたいだけど、味方だと思っていたのに。
ジョージーが命を狙われる理由とド・モビルの死がやっと繋がった時は、長かったなぁと思ってしまった。
結果としては疑いたくなかったメンバーは犯人ではなくてほっとしました。
原題の「王妃陛下のスパイ」の方がわくわくするタイトルかなという気も…
ジョージーが好きなので、このシリーズも続きは気になる。
次の任務も面白そうだし。