首の姫と首なし騎士 華麗なる背信者

2023年6月2日

首の姫と首なし騎士 華麗なる背信者 (角川ビーンズ文庫)
睦月 けい
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-10-31)
売り上げランキング: 245,484

末姫シャーロットに、豪商エルマー家が、息子セシルとの結婚を迫ってきた。
それは、シャーロットが、国を支える豪商が隠し続けてきた恐ろしい裏の顔を知ってしまったためだった。
妹を溺愛する長兄レイフォードはセシルとの結婚に断固反対し、次兄クローヴィスの動きは怪しく、護衛騎士アルベルトはかつてはない殺気を放つ。
そして、シャーロッドの決断とは!?
新感覚王宮ミステリ第5弾。

クローヴィスが心配になりつつ、前半は互いの腹の探り合いと現状の説明が主であまり話が進んでいる気がしませんでした。
ちょくちょくあるアルベルトとロッティの甘そうで甘くないやり取りは、今の二人の関係を表していて好みではある。
想定外にセシルと遭遇してから物語が動き出した気がする。
クローヴィスの言動が今では読んでいて辛い。
名演技といえばそうなんだけど、彼の中に余裕が見いだせなくて。
セシルも危ういなぁ…でも彼のほの暗い内面は嫌いではない。
今のままではハッピーエンドが想像できない。
エルマー家を敵と考えると信用できる力持つ存在が少なすぎる。
そんな中でも活路を見出そうとする皆の姿は読んでいて応援したくなるものではあるけれど。
うおお、燃える展開になってきた。
互いに自分の意思を示すロッティとアルベルトもいい。
二人の世界は主従としても男女としても大好き。
こんな状況だとガイの変わらない態度は余計に頼もしいな。なんか癒された。
次々と皆が覚悟を決めていく中、次巻へか…これは続きを読むのが楽しみだな。
セシルがクローヴィスに語った祖父の口癖が本当なら、エルマー家の本当の目的は想像していたものとは違うのかもしれない。
これは気になることが増えたな。

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