シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と紫の約束

2023年10月8日

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と紫の約束 (角川ビーンズ文庫)
三川 みり
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-07-30)
売り上げランキング: 238,715

新聖祭の砂糖菓子を作るという名誉ある仕事をすることになったアン。
巨大な砂糖菓子を作るには広い場所が必要と国教会に頼ってお城を格安で借りたけれど、そこはなんと幽霊城!?
工房の皆で力を合わせて頑張りながらもアンは、幽霊騒ぎで頭を痛めることに…
そんな中、工房長の娘・ブリジットは、謎めいた美青年妖精を連れて帰ってきた。
反乱含みの砂糖菓子作りの行方は…シリーズ第5弾。

一段落して落ち着いたと思ってたけど、またいきなり追い込まれた状況だなぁ。
そういえば、謎の妖精の存在忘れてた…
グラディスのセリフは意味深だし、シャルにもまだ秘密があるのかも。
グレンとブリジットは不器用な親子で、読んでいてじれったい。
どちらも心の底から悪い人ってわけじゃないし、幸せになって欲しいんだけどな。
素直に生きるって難しい。
グラディスが何者かはっきりしない以上、それどころじゃないんだけど嫉妬するシャルには萌えた。
シャルのアンへの独占欲と種族の差を意識し距離を取ろうとする姿勢のアンバランスさもいい。
一方でアンの初々しさも可愛くてたまらん。
ノアの主をずっと待つ姿には心打たれるものがある。
優しさとは時に残酷な事態をもたらしてしまうけれど、ノアとハーバードの関係は魅力的ではある。
ハーバードのノアへの別れの言葉は優しくて涙がこぼれた。
キャット…自分が店を開いている街でも銀砂糖師と気づかれてないのか;
天候までアンに試練を与えるなんてと思ったけど、そういえばりんごの不作も似たようなものだったか。
キャットの協力を得るためヒューと勝負することになったアン。
挑むには早すぎる相手。でも、アンなら勝てる気がしていました。
誰かのために砂糖菓子を作るということに関してはアン強いからな。
素晴らしい砂糖菓子を作るっていうならヒューのが上だろうけど。
実はハーバードがフィッフ上手かったとか…亡くなった人のこういう真実は涙腺にくる。
ハーバードの魂が城にいたのにノアと会わなかった理由といい、優しさって深いと思います。
ハーバードとノアが互いに向けていた好意と優しさには心がほっこりしました。
一難去ってまた一難…グラディスの目的が気になるところで終わったなぁ。
良くも悪くもアンとシャルの距離が縮まる切っ掛けになりそうですが…心配。

inserted by FC2 system