銀のパルティータ―花嫁は永遠を誓う

ディオシエラの皇城が突然アテオ兵に占拠され、幼帝リオンの殺害計画が進行していた。
全ては、ローダリアを手に入れようとしている神獣トートの策略によるものだった。
各々の思惑が交差する中、愛する人を守りたいというローダリアの一途な想いが軌跡を起こす。
神獣と伝説のロイヤル・ファンタジー。感動の最終巻。
最終巻だけあって序盤から緊迫した空気が漂っていました。
トートと女神ヴレーデの出会いは好みだけど、ローダリアたちが好きすぎてどうもトートに同情はし辛い。
色々やっちゃう前ならともかく…
でも、敵としてならトートは嫌いじゃないです。
フェルナンが胸の内を語った事で甘さもあるけど、ちょっと不器用な二人なので甘いというよりは可愛い。
リオンの旅立ちは胸がしめつけられた。
ローダリアが自ら母と言ったのも感慨深かったし。
リオンとガトーのやりとりにも感動。
リオンの純粋さと器の大きさを見た気がした。
この作品では、人間的にはリオンが一番好きかもしれない。
前の巻では出番少なくて残念だったけど、1,2巻でローダリアとの会話たまらなかったしね。
フレスコ大臣…必死なのは伝わってきたけど、緊張した空気を緩ましてくれてありがとう;
でも、その後の重臣たちの言葉は涙でてきた。
短いシリーズだったからじっくり書かれてはいなかったけど、ローダリアの頑張りが多くの人に認められていたんだなと思うと。
ローダリアとドラードの関係も好きだったなぁ。
もう、皆それぞれ好きすぎて切ないシーンばかりだった。
ドラードの好みの内容には吹いたけど、ちょっとお馬鹿な発言をするドラードも好きだ。
オルガについては過去や何を考えていたのかが明かされて、色々納得した。
過去の彼にも何か救いがあればなぁ。
罪を犯した時にそれ以上進まない強さを得るにはやっぱり何かいるような気がする。
トートにしてもそうだけど。
救いが…という考えはあまえかもしれないけどね。
気付いてないだけで、それはすぐ近くにあった可能性もあるから。(特にトート)
ラストはこうくるか。
今までつながりができた皆の力を合わせてというやつですね。
皆それぞれ好きだったので嬉しい展開。
集合はしなくても皆の出番があるし、皆がつながって(協力して)何かをやり遂げるのが見れる。
オルガは今度こそ幸せになれるといいね。
ドラードも自分や弟、女神が生きて果たせなかった願いを愛しいローダリアに託すことが出来たから幸せなんだろうな。
彼の結末が私としては一番切ないけど。
リオンはあの娘とくっつくのかな。相手が誰にしても、彼にも幸せになってほしい。
いい終わり方だったと思う一方で、もうちょっとこの世界を見ていたかった気もする。
そんな物語でした。

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