シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と白の貴公子

2023年10月8日

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と白の貴公子 (角川ビーンズ文庫)
三川 みり
角川書店(角川グループパブリッシング) (2010-11-30)
売り上げランキング: 241,271

今年こそ銀砂糖師にと気合を入れるアン。
ところが、砂糖林檎は大凶作。自分の銀砂糖を確保するため、砂糖菓子工房に下宿することになったアンだったけれど…
シリーズ第三段。

ラドクリフ工房派はなんでこう嫌な奴が多いんだろう…おかげでキースみたいなタイプがまざっていると目立つ。
今まではあまり意識してなかったけど、思っていた以上に女性の銀砂糖師って少ないんだなぁ。
目指している子はもう少しぐらいいるのかと…理由はいかにもって内容だったけども。
アンが生きているのは神聖な職人の世界だったんだなとあらためて実感した。
キースがシャルに話した内容にもびっくり。
ドロドロしすぎというか、こうも嫉妬深い連中が多いとは…いや妬んじゃうくらいアンが凄いのと目立っているのは分かる。
分かるけど、これは酷い。
厳しい世界で頑張るアンをますます応援したくなりました。
そして、他の砂糖菓子職人たちも変わっていってもらいたいなぁ。
キースが正々堂々としていてアンとの勝負を楽しんでいるようなのは、自分に自信があるというのは本当大きいだろうな。
現実でも自分に自信がある人は他人を妬んだりしないだろうし。
今回はシャルが種族差を意識するシーンがあっていいです。
異種間の交流モノ好きなので、境がないのも素敵なのですが、逆にそれが障害になるというのも好きです。
お互い相手に良い人が出来たのかと勘違いして切ない思いをしているのもたまらない。
シャルにとってリズは家族のような存在だったのかな。
シャルがリズとアンへの感情の違いに気付き始めてドキドキ。
祖王と妖精王の関係が哀しいけれど、その思いは今も生きているのがいい。
叶ってはいないけれど、アンとシャルの関係がそれに繋がっているようなのもいいよな。
本当、人と妖精が友達になるのが自然な世界になるといいなぁ。
なんかずれてるし暴走気味だけど、ミスリルはやっぱり可愛い。
ちょっと気の毒なキャットも好きでした。彼は人間的に好き。
銀砂糖師にも色々いるけど、ラドクリフ氏も思っていたより公平な人だったし、人間性って砂糖菓子にも出るのかなぁ。
アンを見ていても感じるけど、技術だけじゃないという。
ブリジットは、周囲から駄目だ無理だと言われて諦めるぐらいだから、職人になるのはどっちにしても無理だっただろうなぁ。
この世界厳しいとか体力がいるだけじゃなくて、人間関係まで酷すぎる;
アンに振りかかる試練がなかなか厳しめで読んでいて辛かった。
その分、ラストの感動は大きくて泣きそうになりました。
よかったねって共に喜びたちところだけど、シャルが…この二人これからどうなるんだろう。
ものすごく心配です。

inserted by FC2 system