光をはこぶ娘

光をはこぶ娘
光をはこぶ娘

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O.R・メリング
講談社
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アイルランドで暮らしている11歳の少女ダーナ。
母親はダーナが3歳の時に、理由も告げずに家を出たまま。
ダーナは興奮した時、いつも黒い乳母車とねじくれた木に変わる女性が出てくる悪夢を見ていた。
その夢は母と繋がりがあるのだろうか?
カナダに引っ越すことが決まり動揺するダーナは、ある日妖精王にことづてを託され、アイルランドの不思議な森へ迷い込み…
メリングのケルトファンタジー第5弾。

今回は11歳という微妙な年頃の少女が主人公か。今までより児童書らしくはあるかも。
まずはダーナの母親の失踪の理由が気になります。
妖精の塗り薬によって、今までは見えなかった妖精たちも見えるようになってからのワクワク感がたまらない。
いい妖精ばかりじゃないと分かっているから緊張感もあったけど、ダーナの旅の出だしは好調みたい。
ボグルや他の妖精たちとのやり取りでダーナの優しさや子供らしさと同時にある賢明さに魅力を感じる。
今回の役割で父やアラダーナに心配をかけてしまっているのは気がかりだけど、ダーナを応援したくなりました。
ダーナと行動を共にしたのは短い時間だったけれど、守護者のオオカミが好きでした。
メリングさんの作品は幻想的だけど、厳しい面も多い。
今回は現実の問題を扱っているためもあって全体的に厳しめかも。
ダーナとルーフ王の関係はもしかしたらと思う所はあったのですが、母の正体が分かると悲しいやら嬉しいやらで複雑な気持ちに。
もう家族三人の生活に戻ることはないけれど、ラストはそれぞれの時間がやっと動き出し、未来へ続くものでほっとしました。
まだまだ不安はあるけれど、ダーナの今後の活躍も応援したい。
今までの作品も好きだったけれど、今回は今まで以上にあちらの世界とこちらの世界の境界がとりはらわれているようで、これからの作品も読むのが楽しみ。

ま行

Posted by tukitohondana

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