小説 On the Way to a Smile ファイナルファンタジーVII

小説 On the Way to a Smile ファイナルファンタジーVII
野島 一成
スクウェア・エニックス
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ゲーム『FINAL FANTASY7』から『ADVENT CHILDREN』に至るまでの2年間の物語をゲームのシナリオを手がけた野島一成氏が小説化。
文章が…というレビューを読んだことがあったけれど、納得はしたかも。
ずっと同じような文章なので、ちょっと単調な印象を受ける。
でも、読み易いのでいいんじゃないかと。
あの世界ではデンゼルに限ったことじゃないけど、彼のおかれた状況が苦しいだけに次々と現れる人々との繋がりが余計あたたかく光っているように感じる。
少年の苛立ちはほんのりリアルで同時に絆によって少しずつ彼が成長していく様子が好ましい。
リーブとルヴィさんの繋がりとかもドラマチックでいいね。
本当ストーリーはすごく好み。
今更なんだけどFFVIIのEDの後がACだと思うとちょっとやるせないよね。
最終的にはハッピーエンドだったものの、ゲームのED後すぐに星や人々が救われたわけじゃなくて、ジェノバに苦しめられてた。
こうやって改めて小説で読むとそれが重い。
ゲーム中であった出来事もこうティファにじっくり振り返られると泣きそうになる。
エアリスの死はプレイ中も衝撃的で印象に残っているけど、他にも色々あったな…前に進むことに一生懸命で、物語の背後でたくさんの死があったことはそれほど意識していなかったかもしれない。
バレットがティファに店を作らないかと提案するシーンもぐっときた。こういう考えいいね。
ティファやクラウドの中でエアリスがどれほど大きな存在なのか気付かされる度にたまらなくなる。
デンゼルが来てからの流れが好きだっただけに、この後の物語を知っていてもなんとも不安になった。
バレットが背負っているものは重い。
けれど、そうでなくても自分がしてきたことのなにが正しくてなにが間違っていたのか?それを無意識に問い次の選択にいかしている。
だからそれが決められないのは辛いよな。
全部が間違いだったって決めつけちゃうのも苦しい。
そんな中で自分のこれからを探すバレットの姿には何とも胸を締め付けられ応援したくなった。
ACで飛空艇が飛んでいたってことは、油田見つかったんだよね?
セフィロスのクラウドに対する執着がなんだか酷いような…
いや、ACで再会した時も思ったけど。
ゲーム本編では逆の立場だったのにね。
ちょうどいい存在としてクラウドがいるというのもあるとは思うんだけど。
デンゼル、ティファ、バレットの物語も生き方を模索するものだった。
でも、ナナキの物語が一番真理に近いというか哲学的だった気がする。
それぞれの選択と生き方がある。けれど繋がっているんだな。
ヴィンセントとナナキの関係もいいね。
ヴィンセントは元々好きなキャラクターなのだけれど、あらためて好きだなと思った。
ユフィサイドは今までとはまた違うね。
ユフィも背負っているものはあるんだけど、深く悩み続けるタイプではないし。
聖痕症候群が広まった時の扱いは理不尽だと思ったけど、あの症状は悲惨で状況からいってユフィが原因だと勘違いされたのは仕方ないか…
プレジデント神羅は嫌いだったけれど、ルーファスが助かったのはあの父親とのやり取りのおかげとはね。
なんとも言えないな。
結局なんやかんや言ってても親子だったんだよな、二人は。いい意味でそう思った。
Lって実はルーファスのLだったんじゃないかとかね。
パスキーの数字の組み合わせとかさ。もう卑怯だよ。
ACでもルーファスは相変わらずだなと思ってたけど、変わってたのか。
まぁ、この小説後付なんだろうけど。
なんだか中途半端なところで終わった気もするけど、それぞれが道を見付け出していく物語としては綺麗にまとまっていたかな。
当たり前かもしれないけど、FF7本編を知らない人にはおすすめできません;
他はともかくACも知ってた方がいいかも。

な行

Posted by tukitohondana

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