武田信玄

武田信玄が父・信虎を追放し甲斐の領主になるあたりから彼が亡くなるまでを描いた歴史小説。
1988年大河ドラマの原作。
元気象庁職員であった作者らしく、舞台となった地域の天候の描写や天候を物語に絡ませている部分が面白い。

新田次郎さんの武田信玄、やっと読み終えました。
歴史小説は、まだ慣れないので読むのに時間がかかります;

武田信玄の領主としての素晴らしい手腕。
戦から政治まで様々な方面で才能を発揮する姿が魅力的に描かれています。
高い能力を持ちながら、生身の人間が持つ弱さや欲望なども深く描かれていて、そんな信玄に惹かれました。
そして、好色なのですが、そこすらこの作品の信玄は魅力的に見えました。

一方、宿敵の謙信とか敵対勢力の描かれ方がちょっと…もう少しなんとかならなかったのでしょうか。
いえ信玄の方も人間味のある駄目な面がある人物像だったので、別に美化しまくってくれとはいいませんが、敵にももっと魅力があると良かったなぁ、と残念に思ってしまいました。

女性の登場と活躍のさせ方も、物語を華やかにしてくれていてバランスが良かったと思います。
戦が丁寧に描かれる一方で、信玄の女性関係も多く描かれています。
序盤は三条の方が酷い扱いな気がしますが、彼女の亡くなるあたりは切なくて泣きそうになりました。
萌え方向から見れば、彼女はどう見ても典型的な「ツンデレ」。
一度そう思えてからは、結構彼女に感情移入してしまっていたので余計に切なかったのです。
他の女性たちも皆魅力的で、女性である私の視点から見ても好感が持てる人物ばかりでした。
里美が一番好きです。

な行

Posted by tukitohondana

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