アップルジャック

アップルジャック (幻狼ファンタジアノベルス)
小竹 清彦
幻冬舎コミックス
売り上げランキング: 995,953

殺し屋に両親を殺され、自身も命を狙われ逃亡している少女は追い詰められ一人の心優しき殺人鬼と出会う。
少女シトロン、殺人鬼専門の殺人鬼アップルジャック、殺された恋人の復讐を誓う美女ストレガ、戦場帰りの殺し屋スプリッツァー。
四人の運命は交差し、やがて少女の未来を切り開く戦いの幕が上がる。

バー、ハニーサックル・ローズで三人とマスターが出会い繰り広げる会話が心地よい。
この小説を読んでいるとお酒を飲みたくなる。(特にカクテル)
シトロンの抱える事情はシビアだけど、アップルジャックとのやり取りと同居するという展開は微笑ましくてもの凄くツボ。
最初の印象では、シトロンを追ってさえいなければスプリッツァーが一番好み。
偶然出会ったメンバーにバー以外のところでも密かな繋がりが出てきて面白い。
本人たちはいつ気づくのだろうとわくわくしながら読んでいました。
ぬいぐるみのエピソードは最初から最後までよい。
殺人鬼二人の不思議で心があたたかくなるような交流でした。
アップルジャック、シトロン、ストレガ、三人での買い物と食事はとても和んだ。
ストレガも普段とはまた違った感じで可愛かったし。
でも、それだけにストレガが追っている人物が…と考えるとなんとも言えない気持ちに。
戦うことが好きな狂気的なキャラは大好きなので、スプリッツァーは萌える。
だけど、かっこいいと思ったのはアップルジャック。
シトロンの逃亡と戦うシーン、アップルジャックVSスプリッツァーは興奮した。
緊張感と勢いどちらもあっていい。
しかも、スプリッツァーがシトロンたちの仲間に加わるとは!
予想はしていたのですが、期待した通りの展開も嬉しい。
シトロンとスプリッツァーのような関係も大好きです。
やばい…この二人が師弟関係になるとは。にやにやしてしまった。
思えばバーで知り合った互いのことをよく知らない飲み友達が、シトロンの存在によって一つのチームとしてまとまったわけか。
いいな。こういうの。
アップルジャックとデビルの対決までの流れも面白く、一気に読みました。
ちょい役のキャラも魅力的なのですが、バタバタ亡くなっていく…
そしてまさかの結末が。
某人物の死が影を落としつつ、ほんのりあたたい未来に光が見える形のエンディングでよかったです。
シトロンの決意の行方と今後の未来が気になるので、二巻もぜひ読みたい。

か行

Posted by tukitohondana

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