警視庁心理捜査官

警視庁心理捜査官 上 (徳間文庫)警視庁心理捜査官 下 (徳間文庫)
まるで陳列されているかのような猟奇的な遺体が発見された。
臨場した捜査一課に所属する心理捜査官・沢村爽子は犯人推定作業を進める。
犯人の暴走は止まらず、爽子は捜査本部で異端視され孤立していった。
そんな中、彼女は徐々に猟奇殺人の核心に迫っていくが…
これだけむかつく登場人物が多い作品も珍しい気がします。
とにかく爽子の周囲は敵だらけ。
彼女自身の性格にも欠点は多いけれど、その分相棒の藤島さんができた人なのでバランスは取れてる気がする。
実際はどうかとかはおいておいて、本当にありそうな人物描写、組織や捜査の様子などが読んでいて面白かったです。
藤島さんが爽子に怒鳴るシーンはなんか泣けた。
自分の正直な気持ちを話しても何も変わらないかもしれないけど、少なくとも自分でいられる。それが大切なことなんだ。というような内容。
言葉がなんか胸に響いた。
彼の言葉に感動したというのもあるし、それだけこの頃には物語の中に引き込まれていたんだと思う。
頑固で硬い、けれど心の中に熱いものを持つ爽子の欠点を藤島さんは補ってる。良いコンビ。
感情的に見えて、実は爽子より落ち着いてるしね。
ラストの方はやっと犯人が確定できたのに、捕まえられないもどかしさを感じていました。
爽子の精神状態も痛々しいというか心配になってきましたし…
ハラハラしつつ待っていた結末は予想通りでしたが、落ち着いたほっとする終わり方だったかなと思います。

か行

Posted by tukitohondana

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