シスター・ブラックシープV 花嫁の聖戦

2023年6月2日

喜多 みどり
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2011-10-29

ユリエルを助けるために悪魔の手を取り、花嫁として地獄へと連れ去られたコンスタンティン。
なすすべもなくそれを見ていたユリエルは、彼女を取り戻すべく地獄へ向かうが…
シリーズ完結。
※以下の感想コメント、いつも以上にネタバレ多めなので注意

想像していたより地獄は穏やかに見えた。
それはあの悪魔がコンスタンスを守っているからなんだろうけど。
でも、どこにいてもじわじわと精神を蝕まれそうな感じだな。
悪魔とコンスタンスのやり取りは和んだ。
ああ、悪魔が気を使っているんだなと思うと、微笑ましい中にも切なさがあっていい。
ユリエルとヒースの会話ににやにやしてしまった。
立場が逆転したような所も面白い。
開き直ったというか色々認めたユリウスは頼もしい。
私としてはヒースにもあきらめないで欲しいな。
ニコラスのユリエルに対する行動には笑った。
その後はいつになく頼りになりそうな落ち着きっぷりだったけど。
つっこみや毒舌が心地いい。
最初5巻見た時、分厚いと思ったけど、思っていたより状況複雑なことになってるみたいだな。
今まで登場した人物全員登場しそうだし、長くもなるか;
バードの件はすっきりしてなかったから、居所分かってよかったかも。
サクスを気にするコンスタンスを見ていると切ない。
でも、そんなコンスタンスが好き。
悪魔のコンスタンスに対する態度が少し病み気味で、萌えた。
ユリエル、コンスタンス、ミディール、グロリア、サクスの皆がそれぞれ自分の守りたいもののためにサイラスと敵対することを決意していくのには燃えた。
悪魔の抱え続けていた孤独も今の満たされた気持ちも愛しい。
コンスタンスが彼を愛するのはなんか分かる。
そして、それが恋とは違う愛情だというのも。
ユリエルとの再会、悪魔との別れ、サクスへの帰還とどれもじわっときたけど、ヒースとの再会がこれまたいい!
あのヒースが本当に嬉しそうに笑っているとか…
ヒースは気持ちいい復活をしたなぁ。
娼館の女性たちの活躍も頼もしくてよかった。
表の人間も裏の人間も協力して一つの存在に立ち向かっていくのは胸が熱くなる展開だった。
バードに関しては予想以上の結末。
指輪に話しかけて口付けするシーンは萌えた。
常人には理解することは難しいかもしれない狂気というか壊れた感じがいい。
コンスタンスの選択と周囲の人々の団結はとても嬉しく爽快なものでした。
コンスタンスの野望は実現するのか。応援したいです。
彼女がサクスの実力者の一人になると、またグロリア、ヒース、レオンらとの関係も面白いことになりそうだし。
グロリアとヒースがチェスをするシーンを読んで、少し前進する形で平穏な日常が戻ってきたことを実感。
ユリエルとコンスタンスは両思いのようだけれど、今のままであって欲しい気もします。
ところどころ入る恋の甘さや切なさもよかったけれど、何より皆のサクスへの愛情に燃える物語だったかも。
期待通り、いやそれ以上の物語と結末でした。

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