漆黒の血のダンス (アニタ・ブレイク・シリーズ)

ローレル・K・ハミルトン
ヴィレッジブックス
発売日:2010-11-20

久しぶりの休日を楽しんでいたアニタのもとへ舞い込んできたのは厄介な知らせだった。
何者かが彼女の首に賞金をかけたというのだ。
黒幕も狙いも分からないまま、次々と襲い来る殺し屋たちに立ち向かうアニタだったが…続いてリチャードたちの群れのリーダーの地位を巡る問題にも巻き込まれてしまう。
シリーズ第5弾。
いきなり大変そうな相談がアニタにもちかけられたけど、開始早々ジャン・クロードとアニタの会話が読めて嬉しい。
何者かによってアニタの首に賞金がかけられてあのエドワードがアニタを護衛するとかによによするしかない展開。
5巻はこれを楽しみにしてました!
守る理由があれだけど、エドワードは強い相手と戦うのが好きだという所を気に入っているキャラなので、問題ない。
というかむしろ美味しい。
アニタもだけど本当にリチャードも意思が硬い。
そこは欠点であり美点でもあると思う。
己の本能と理性の間で苦しんでいるリチャードは気の毒に思う反面、とても魅力的。
ただどちらかといえばジャン・クロードのが好きかな。
彼は彼でアニタを手に入れるために犠牲を払ってるし。
リチャードやジャン・クロードと付き合っていることが周囲に与える影響や問題が徐々に深刻化している気がする。
今後、警察の仕事に支障がでないか心配。
本職の方は上司が気にしなさそうだけど。(こっちはむしろ今の状況を利用しようとするのが心配か…)
エドワードとアニタの会話はやっぱり好きだ。
いいよね、このコンビ。
いつか殺しあうことがあるかもとは思っても、今のところは味方で友人という距離感がまたいい。
ジャン・クロードに惹かれるのはミステリアスなところがあるからなのかも。
彼のイメージは登場するたびに少しずつ変化していく。
今回も今までは見えなかった彼の一面や過去の一部を知ることができて嬉しかった。
リチャードも思っていたより奥が深そう。
いや、彼自身というよりもシェイプシフターそのものにまだまだ謎の部分があるというのが大きいか。
狼憑きでありアルファであるリチャードを受け入れるというのは、あのアニタですら困難なこと。
種族の違いというか、本能的に感じる恐怖は(頼りになることもあるけど)厄介ですよね。
でも、もっと複雑なのは恋や愛なのかな。
恐ろしい相手でも、道徳的に見て許しがたい相手でも、惹かれてしまうことはあるわけで…その感情もまた簡単に消せるものでもない。
ジャン・クロードとアニタの関係の進展には驚きましたが、彼女の中の愛しさ、迷い、罪悪感、未だ残るリチャードへの想いはリアルに感じられました。
今回の件で今まで以上に複雑になると同時に固い結びつきができた三人。
今後どうなるのかまったく想像がつかない;
私はもうこの三人のまま最後まで一緒にいてもいいと思うけど。(怖いレベルの嫉妬を見るのも好きだし…)
エドワードとの関係にも微妙に変化があって、これからの楽しみも増えた。
彼がアニタをモンスター狩りに招待するのはいつかな?と。

は行

Posted by tukitohondana

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