東のエデン

神山健治
メディアファクトリー
発売日:2009-09-16

100億円で日本を救え。正体不明の人物Mr.OUTSIDEは12人の“セレソン”を選出し、願いを叶えてくれるノブレス携帯を渡した。
セレソンに与えられたのは100億円と日本を救うという使命。
一方、サークル「東のエデン」に籍を置く大学生・咲は、卒業旅行で訪れたホワイトハウス前で、全裸の男・朗と出会う。
朗と咲、そしこの国は一体どこへ向かうのか?
アニメは観ていないのですが、帯の紹介文読んで気になったので読んでみました。
初っ端から吹いた…全裸っておい;
Mr.AUTSIDEは何者なのか?
サポーターとはどんな人物?
どうすれば日本を救ったことになる?
次々と謎が浮上し、それらが気になって物語りに引き込まれていきました。
咲Sideでは恋愛と就職と普通の若者たちの様子を、滝沢Sideでは意図的に消された記憶と100億円を使って日本を救うという謎のゲームと非現実的な状況を描いていて、そのギャップの交差が面白い。
東のエデン仲間が再集合して滝沢と合流してからは今後の展開も楽しみに。
読み手を勘違いさせるような仄めかしが多くあるのもいいです。
単純なのですぐ騙されちゃうんですけどね…それはそれで緊張感を楽しめてよいです。
サークルメンバーもいいけど、板津さんがこれまた予想より癖があるけど好感持てるキャラだ。
メインの咲と滝沢は終盤の方の言動が特に好きだった。
特に滝沢が自らが悪者役を演じる事で皆を助けようとしたシーンにはちょっと感動。
燃える展開でした。
怠け者で自分の意思がなくて自分勝手で…自分の中にも身に覚えがありすぎる悪い部分についても考えさせられる話でした。
自分がノブレス携帯を持つセレソンだったら何をするのか?
それを想像できない自分が情けない。
読み易く、青春小説の空気を漂わせつつ、ブラックな物語でした。
あの人物は生きてて本当にほっとしました。

か行

Posted by tukitohondana

inserted by FC2 system