エリザベート 愛と死の輪舞

エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド) (角川文庫)

十九世紀、公爵家令嬢エリザベートは、事故で死にかけた際に黄泉の帝王トートに魅入られてしまう。
生きたエリザベートの愛を得るためトートは彼女を黄泉の国から還してやるのだった。
エリザベートはオーストリア・ハプスブルク皇帝フランツ・ヨーゼフの妃となり……トートの恋はハプスブルク家を破滅へと向かわせ始める。
皇妃になったことで自由を奪われ苦しむエリザベートの前にトートは幾度となく現れ彼女を誘惑する。
トートに惹かれながらも、彼を拒むことで己の自由を得る勇気を得たエリザベート…二人は終わらない愛と死の輪舞を踊り続ける。
エリザベートがトートの愛を受け入れるまで……
皇妃エリザベートの生涯を幻想的に描くミュージカルの小説化。

舞台の小説化なためもあって、物語の様子が脳裏に思い浮かぶような内容となっています。
とても読み易い上に萌えもあるのでおすすめ。
内容としては宝塚版になるので、どちらかといえば(恋)愛の比重が多めで、歴史小説ではありません。(史実と違うところもあるらしいですし)
全体的には悲劇なのですが、エリザベートの自由を追い求める力強さが時にその暗さを打ち消してくれます。
舞台は、ウィーン版と宝塚版の映像をところどころ見ただけなのですが、舞台では分かり辛かった箇所もこの小説を読むと理解し易いですね。
それぞれの心情などは特に興味深いです。
もちろん内面だけでなくセリフやシーンの深い意味なども書かれています。
個人的な萌え所はトートが嫉妬などから感情的になるところ。
切ないのはエリザベートとフランツ、エリザベートとルドルフのすれ違いでした。

か行

Posted by tukitohondana

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