シャイターンの花嫁 偽りの巫女姫と影の王子

精霊王との契約の壺を失ったアイシャの一族は、ザバルカド族の襲撃によって滅ぼされてしまう。
敬愛する巫女姫を殺された復讐をするため、彼女は水の精霊ナーギの助けを得て剣の腕を鍛えていた。
アイシャは魔法の指輪で巫女姫と同じ顔の美姫に変化する術を得、仇と思しきザバルカド族の王子マハールの元に嫁ぐことに…
それと同時に姫の侍女のアイシャとして、軍人のカファスにも戦士として仕えることになってしまう。
二役を使い分ける彼女が砂漠の国・カダルで辿り着いた真実とは…

プロローグから重めの話だったのに四年後のアイシャとナーギの変化には和んでしまった。
アイシャがたくましくナーギが変態っぽくなってて、なんかいいコンビっぽい。
ナーギの残念なところとか胡散臭いところが好き。
恋愛じゃないけどナーギがアイシャに執着しているようなやり取りが多いのは少し意外でした。
カファスもナーギとはまた違うけど胡散臭い人物なので気になりました。
お姫様になってハレムに入り込んだのでもっとがっつり二重生活しているかと思っていたのですが、姫の方でも結構素がでてしまっていて笑いました。
もはやボロが出るとか出ないとかのレベルじゃない。
最初から相手にも狙いがなければ、とっくに牢屋行きだったんじゃないでしょうか;
イラストも好みだったのですが、特に怖そうな雰囲気のナーギの挿絵には萌えた。
嫉妬するナーギいいです!
ナーギやカファスの言動のおかげで空気が重くなりすぎないのに、愛憎渦巻く感じもいい。
憎むべき相手を知らずに仲良くなったり、捕食者が獲物の保護者のような立場になっていしまっている所がツボ。
タイトルの影の王子の意味には気づいたけど、第二王妃の正体はまさかこうくるかと思ってしまった。
確かにあの人は目の前で亡くなったわけじゃないけどさ…
意外だったというより、これはあんまりだ…アイシャの4年間を思うと。
アイシャの選択には燃えた。
そしてナーギには萌えた。
アイシャ好きだ。
ナーギとの契約の結末、カファスの憎しみを抑えこむほどのアイシャへの愛情にはちょっと感動。
あの人も完全な悪という形では終わらなかったし、過去の罪を思うとすっきりしない部分もあるけど、未来へ続くのは闇ではなくて光であって欲しいからこれで良かったのかも。
ラストは読んでいて穏やかな気持になれるものでした。

か行

Posted by tukitohondana

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