クリムゾン・エンパイア―プリズナー・オブ・ラブ

第一位王位継承権を持つ第二王子エドワルドのメイド兼護衛をつとめるシエラ。
彼女の主は実の兄にして政敵であるジャスティンと争いを続けていた。
主の命令でジャスティンに近付くシエラだったが、二人は次第に惹かれあっていく。
エドワルドへの忠誠心と自分を求めてくるジャスティンとの間で揺れるシエラが選ぶ道とは?
ミハエル、エドワルドの二人が相手の小説を読んでジャスティンが気になっていたので読んでみました。
ミハエルとエドワルドの愛にある意味囚われているからプリズナーなのかな?(いや、心、魂、体全部がそれぞれのものだからかな)
人間関係とか世界観の説明はもう分かっているので流し読みしつつ、ミハエルとマイセンのお馴染みのやり取りに和んだ。
毎度似たような会話なんだけど、好きなんだよなぁ。
ジャスティンの不器用な優しさとあの威圧感のある容姿と態度のギャップが凄く萌えます。
人間的にも大好き。
子供に囲まれているジャスティンも可愛い。
鋭いようで鈍い所があるのもたまらない。
シエラに上着を貸すエピソードはときめいた。
何これやっぱりジャスティンは何やっても萌える気がしてきた。
中盤ではジャスティンがシエラの事が好きなんだなぁというのが自然に伝わってきてあたたかい気持ちに…
でも、二人の立場を考えると切ない。
敵対する者同士が惹かれあったり、背中合わせで戦うっていいですよね。
燃えます。
形は違うし歪んでいるかもしれないけれど、エドワルドも優しい。(自分の好きな相手限定で)
ハルキアやランビュールの気遣いもいい。
ミハエルがシエラに言う“君は弱い”“愚か”という言葉が彼なりの愛情を感じさせて好きだな。
ミハエルは否定するだろうけど、心配しているのかなとも思えるし。
そもそも彼は興味がない人間を構ったりはしないだろうから、彼がシエラに会いに来て話しているだけで萌えます。
不器用でちょっぴり強引で優しいゆえに(情が深いゆえに)苦しむジャスティン。
そんな彼が好きだ。
騙したわけでもないのに、自分にそうだと言い聞かせているシエラも切なくて優しいというかなんというか…
ジャスティンには幸せになって欲しいけれど、それを阻むのは愛しい彼の性格なわけで、本当に王子には向いてないなと思います。
でもきっと彼が本当に望んでいるのは王子としての幸せじゃないだろうからなぁ…
他の小説でも思ったけど、ちょっと馬鹿になって殴り合いの喧嘩をする兄弟という展開が好きだ。
今までははっきり思いをぶつけあえなかった二人。
立場とすれ違いと嘘が生んだ悲しい敵対関係だったからこそ、こういうやり取りは必要だったのではないかと思うのです。
その点でもシエラの存在は大きい。
そして知っていたはずなのに「お前を許そうと思う」というジャスティンとエドワルドの会話は泣けた。
その後の三人それぞれの台詞も。
マンガの方のラストのジャスティンの台詞も重いけど好きだなぁ。

か行

Posted by tukitohondana

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