すべてがFになる THE PERFECT INSIDER


このシリーズも好きだったなぁと再読。
いわゆる理数系の冷たいともいえる印象を与える登場人物が多いんだけど、読み進めるとそれがリアルに感じられて人間味も感じてくる不思議な感覚を覚えた作品。
森博嗣さんの小説にはここからはまった。

私は犀川助教授と西之園萌絵のコンビが好きなんだけど、冒頭部分ではやっぱり真賀田四季の異様さに注目してしまう。
離島にある隔離された施設に住む天才。絶世の美女で親を殺した犯罪者でもある。

犀川創平は頭はいいんだろうけど共感できる感情や思考を持ってるので主人公として好き。
真賀田研究所の職場環境最高だな。作中でも選ばれし優秀な研究者じゃないと働けないっぽいけど、なかなかこういうことないんだろうな。
仕事や人との関わりについて犀川先生には同意せざるを得ない。
ただ、今作みたいな事件が起きるとこういう施設厄介かもしれない。

西之園萌絵の設定久しぶりに見るとなかなか凄い…暗算が得意でミステリィ好きなのはともかくお金持ちで叔父さんが長野県警の本部長。
身内に警察の上の方の人いるとミステリィでは便利だよね。
飛行機事故後の犀川先生とのエピソードが痛ましくもえもい。
殺人事件をミステリィ感覚で楽しんだりする一方で、事件の真相に近づいた時泣きそうになっていた彼女が好き。あと犀川先生が大好きなんだなというとこも好き。

いきなりショッキングな殺人事件が続く。
行方不明になった四季博士がいきてるのは知っているけれど、それにしてもこの人物は興味が尽きない。
彼女は本当に多重人格なのか?それとも所長の奥さんが言うように脳の容量が大きすぎて亡くなった身近な人物の人格を意図的に演じているだけなのか?
そこに何が事件解決のヒントがあるのか?
ある意味関係あったけど…真相こんなに残酷だっか。
そんな理由で殺してしまったのかというのも含めて、この手の犯人も物語の登場人物としてはとても好き。

儀同世津子さんの正体はある意味びっくり。

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