詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE S&Mシリーズ


犀川先生の視点というか考え方独特で面白いけど納得とか共感もできるのがいいんだよね。本人は真面目と言ってるけど、変人ではあると思うので杉東先生の言うように面白い人というのも分かる。

ミステリー読んでると密室は解決しなければいけない問題という気がするけど、確かに事件によってはわざわざ密室作る方が謎だし、密室の謎が解けても犯人がわかる訳ではないよね。事件が気になってる萌絵と事件に興味もないし関わりたくない犀川先生の温度差が好き。それでも毎度解決しちゃうのは犀川先生なんだけど。

萌絵がロック苦手だったり、犀川先生が実は学界のホープだったりと今まで出てこなかった情報が出てきたのが面白かった。犀川先生が上海出張中というタイミングで萌絵が先生のことを何も知らないとショックを受けたのには心配した。でも、これで二人の関係に新たな変化があるかもと期待もした。再会した時はちょっと先生冷たくない?とも思ったけど、その後ちゃんと萌絵の話聞いてたし、単に正直なだけなのかも。この二人の関係からして萌絵からプロポーズしたのは納得だし二度目のプロポーズの仕方と先生の返事が良かった。

国枝先生、感情が表情にでないだけで割と人間的な思考の人という気もした。なんか、相談に行った萌絵への態度でちょっと好感度上がった。あれだけ試験体を大事に思ってる藤井先生が試験体1つ無くなってることに気づいてなかったのが人間臭い。ミステリィにもよくあるけど、思い込みって怖いよね。

犀川先生と篠崎さんの会話が…相変わらず犀川先生なんでこれだけで分かるの?という感想しかない。この時点で被害者の中に自殺した犯人がいたのかな?ぐらいの想像しかできない。犀川先生の人間分析グサグサくるんだけど、なんか分かるし嫌いじゃないんだよなぁ。

今回も萌絵かなり危険な状況に。ギリギリ助かってよかった。ヒロインなので大丈夫だろうけど、心配はしてしまう。今回のトリックがミステリィらしいのは犯人の正体からいっても納得。犯人の心が綺麗かどうかは置いておいて、篠崎さんが犯人を美化して惚れてたって感情は感傷的だけど綺麗だと思った。

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