三国志 十の巻 帝座の星


黄忠も亡くなったか。彼は前巻で手柄を上げてるのでもうちょい活躍するのが見たかった。

簡雍に対する孔明の感情がエモい…あの孔明ですら自分にないものを求めるというのが。でも、簡雍を優しいと言う孔明も充分優しいしだからこそ苦しんでるんだと思う。

袁綝と馬超のこの微妙な距離感いいけど、作風的に男女の仲になっちゃうのかなぁ。

天下を望まずとも豊かな国を…か。孫権の考え方好きだな。ただ、惹かれるのは曹操や劉備の方なのでそういうことかな。本心を話したら今まで呉の天下を夢見て着いてきていた人達の心は離れてしまう。

曹操の死が意外なほど穏やかで美しく心惹かれた。何もいらない何を後悔することもない。こんな死に方をしてみたい。夏侯惇が曹操の後を追うように亡くなったのは良かったように思う。曹丕も案じてたけど、この二人が争うのは見たくなかったので。

そして、曹操の死に涙する劉備がいいんだよな。曹操と劉備の関係大好きだったからな…歩み寄ることも下に付くこともないけれど、お互いを認め合っていたのが良い。

曹丕今までも影のある性格云々とか父親にも言われてたけど、屈折してるなぁ…特に甄氏への想いと行動が。二人の結末があんまりだったけど、甄氏の複雑な本心が綴られた書簡が残酷で良かった。

ここに来て趙雲がまさかの結婚でしかも子供が…年の差婚だし出会いと馴れ初めも読みたかったな。

董香がこれまたまさかの…てっきり張飛の方が先に亡くなると思ってたのでショックだった。この夫婦好きだったのになぁ。張飛を暗殺しに来た人物もこうくるかという感じだった。彼の死に様は意外だったけど、これまた穏やかで豪快に見せかけて繊細だった内面を表しているようで嫌いじゃない。

時期的なものもあるだろうけど今回めちゃくちゃ人が亡くなるな。とはいえ、北方さんの三国志は生き様だけでなく人の死に際にも趣があるのでこの三国志好き。北方さんの水滸伝も気になってたけど、時代小説以外も読んでみたいな。

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