蒼い瞳の刀使い(ソード・ダンサー)―ザ・サード


人類は大戦によって文明の衰退を向かえ、人類の能力を遥かに超えた亜人種ザ・サードによって支配されていた。
砂に覆われた辺境で何でも屋を営む火乃香は、ある日の夜、砂漠で立ち往生している青年イクスを救う。
禁断の地“鋼の谷”まで護衛して欲しいという彼の依頼を引き受けた火乃香を待っているものとは…
荒野で居合いを武器に世界の謎に挑む少女の物語。

世界観とキャラクターの設定に興味を持ってアニメを見てはまった作品です。
小説版とアニメは物語の順序が異なる箇所もありますが、内容は殆ど同じになっています。
生命とは、生きるということは何か? 色々考えさせられる小説ですが、重くなく楽しめるのでおすすめです。

ザ・サードと人類の特殊な関係やイクスの正体、人類は大戦によってすべてを失ってしまったのか?
謎や哲学的思想が絡まってきてますが、その辺を考えつつ、火乃香の魅力には注目せざるを得ません。
普段の言動は可愛くて、生き方や考え方には色々考えさせられます。一言で言えば、好きです。
私が好きなもう一人のキャラクターは浄眼機で、彼もまた火乃香に興味を持ち惹かれています。(本人は彼女の能力に興味があると言っていますが)
火乃香に興味を持ったり魅了されるメインキャラの比重が大きいので、彼女が好きになれるかどうかはこの物語を読む上で重要だと思います。
ただ、ちょっと強すぎるという意見もあり、それは私も否定できません;
それでも、ちゃんと人間らしい少女らしいところもあるのでいいのではないかと。
火乃香の相棒である機械知性体のボギーもいいキャラしてます。
≪再読≫
久しぶりに読んでも、すっと世界観が入ってきます。この作品の世界観好き。
火乃香とボギーのやり取りはコミカルで親しい間柄がよく伝わってきて和む。
生と死に対するボギーの考え、ウォーケンが火乃香に教えた事、ミリィの火乃香に対する信頼。
この作品の登場人物にはそれぞれの哲学があってそれぞれの言葉が深い。
観察者とイクス、火乃香の会話は毎度涙が滲んでしまいます。

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