魔女の結婚

小説は、サイトの方に専用ページがあるのでブログではレビューを書いていなかったのですが、ああこれははまったな、という作品は紹介していこうかな、と思います。
今回の紹介はコバルト文庫の『魔女の結婚』シリーズ。
既に完結済みで、私は最後に出た短編集のみ持っていません。
珍しく完結までそろえて所持している小説なので、それだけ思いいれもあります。
はまったのは数年前。最近読み返していたので、紹介します。おすすめ。
まずはお転婆だけど純粋で可愛い主人公と、クールで美形の魔術師という組み合わせに撃沈しました。
ケルトの信仰とキリスト教の対立を、シリアスとファンタジーな設定で描きつつ、メインには女の子向けの恋愛が展開されていく物語がこれまた魅力的。

魔女の結婚 魔女の結婚
谷 瑞恵

集英社 2001-04
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おすすめ平均

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ローマ人に村を滅ぼされ自決したはずの巫女姫エレインは、なぜか1500年経って目覚めた。
彼女が目覚めた時代には、異郷の神を信仰する巫女姫は魔女として弾圧するキリスト教が力を持つ世界になっていた。
偶然か運命か、エレインを目覚めさせた男マティアスは、その時代では珍しくドルイドの知識を持つ魔術師。
何も分からないエレインは、無理やりマティアスについていくのだが…


人と深く関わることを嫌うマティアスと、無邪気に彼に近づき振り回すエレインの衝突がまず読んでいて楽しいです。
なかなか恋愛に発展しないのが、これまた好印象。
おいこらお前らちょっと素直になれよ!、と突っ込めるぐらいが好きなので;
少しずつマティアスがエレインを受け入れいていっているという変化や、エレインが少女から女に成長していく過程がまた良い。
宗教同士の対立も発生していますが、どちらかというとそれに関わる人々の内面の戦いがメインに発展していっている感じですね。(そもそも…少女向けの小説ですし…)
己の中の闇の力と心の闇と戦うマティアス、『流星車輪』でありながら道具ではなく少女として生まれてきたことで悩み苦しむエレイン。
(車輪…ドルイドに一人一つずつ存在するという呪具。これを授かった時に、本物のドルイドとして認められたことになる。持ち主であるドルイドを護り、力を与える。車輪の形は決まっておらず、腕輪だったり楽器だったり色々。
流星車輪…大地の女神の力を秘めた車輪。強力な力を秘めており、危険視されている。 ※多少間違っているかもしれません;)
信仰、欲望、そして恋愛感情。
それぞれの想いを賭けた戦いの行く末は?という展開が見所かな。

特に、出生に秘密があり闇の力を持って生まれてきた黒魔術師マティアスの葛藤が好き。
鬱陶しく感じていたはずのエレインを受け入れるようになりつつ、それゆえに己の心の闇に苦しむ姿が萌え。(歪んだ愛情や執着ゆえに傷つけてしまうかもしれない…とか)
そして、迷いから抜け出して開き直ったマティアスには唖然。
それまでエレインを突っぱねていたのが嘘のように積極的なのがまた萌えます。
あんまり言うとネタバレになるので詳細はふせますが、彼の父親オズワルトも好きなキャラです。

た行

Posted by tukitohondana

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