アンテナ

田口 ランディ
幻冬舎
発売日:2002-06

十五年前の朝妹が姿を消し、必死に行方を探した家族も七年前の父の死から母は新興宗教にのめり込み、弟は発狂。
なんとか家族を支えようとする祐一郎だったが、SMの女王ナオミと出会ったことで急速に何かが変わり始めていた……

この話もコンセント同様に10年近く前に一度読みました。
なんとなくホラーっぽいイメージだけが記憶に残っていました;(実際はホラーではないんですが)
この手の暗さというか深さは嫌いじゃないけど、コンセント以上に好き嫌いがわかれそう;
色々考えて納得しようとして読むと、うーん…どう解釈していいか悩む内容。
ですが、感じるままに読めば普通に面白い。

不思議そうに見えるけれど、妹の失踪という出来事を家族それぞれが乗り越えていくというか受け入れていく物語なのかな。
ストレスによって閉じ込められた本来の自分を解放することによって見えなかったものが見え受け入れられるようになるというのはなんとなく分かる気がしました。
それが簡単にできないから人は苦しむんでしょうけど…
これもコンセント同様に妄想と現実が違和感なく交差しています。
人は誰でもこれと似たような体験をする可能性があるのかもしれないなと思いました。

た行

Posted by tukitohondana

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