償いの調べ


ちょっぴり禁断要素のある復讐モノ。ソーニャ文庫ということでアダルティな内容多め。この手のジャンルのいいとこはヒーロー(ロマンス小説の男主人公)が鬼畜で酷いやつでも実は…とか最終的に愛が芽生えてハッピーエンドになることかな。(ティーズラブとかロマンス小説とか)安心して読める。

鳥の雛を一緒に助けてあげる王道エピソードでこの二人の恋はあの時から始まっていたのだとほのめかされてる。ただの復讐や血筋の問題ではないことを示す流れ。これ、憎まれ役を買ってでてヒロインのシルフィスに悲しみや後悔を少しでも忘れさせる策なのかもと前半終わる頃に思い始めた。シルフィスは自分以外の家族の死を己のせいと責めているのとおそらくアルベルトも同じこと思ってるだろうから…だってあの婚約者選択不自然だったし。ただ、この手の作品あるあるなのでお約束なのだけどやり過ぎかな、色々と;

辺境伯は領地が隣国と接しているため国防において重要な存在だと書かれているとこに好感を持った。私は昔は追いやられている存在だと思ってたので;シルフィスが本来誠実で純粋な性格の持ち主であることは前半通して、教養ある女性であることも後半描かれる。そこもいい。

アルベルトのシルフィスのピンチに駆けつけるタイミングややり方もスマートでかっこよかった。勘違いされる系の人物だったけど、孤独ではないので安心して見ていられるヒーローだったかも。

あと、ライナス…どうしようもない絵に書いたような小物悪党だったけど、悪いの全部あいつじゃん…よくもこの悲しい事件起こしてくれたなと思ってたら、アルベルトもなかなかの冷酷な人物でよかった。いや、それはそれでありなんだけど、実は優しくていい人だったって落ちじゃないのが好みだった。

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