戦国BASARA3 徳川家康の章

タタツ シンイチ
講談社
発売日:2011-12-13

徳川家康は豊臣秀吉を倒し、“絆の力”で日の本を統一せんと動き始める。
ゲーム『戦国BASARA3』をベースとした小説。

3らしい静かな空気が漂っていて、そこがまず気に入りました。
ゲーム中の台詞も自然に入っていて、そこも嬉しい。
家康の、表面上は爽やかで明るいけれど、侮れない内面の深さが出ていて好み。
3で家康を大好きになってこちらを購入したので、キャラがそのままという感じでありがたいです。
雑賀衆の生き様が少し気になりましたが、孫市と家康のやり取りは心地よい。
絆についての家康の台詞で忠勝の存在の大きさを知る。力だけじゃないよね、彼も。
忠勝をはじめとした家康の絆は、彼に重荷を背負わせているかもしれないけれど、同時に彼を支えてくれる重要な存在で、重いけどこういう関係いいなぁと思う。
ゲーム中でもあったけど、奇襲された時の幸村の言動に笑った。
これ好きだったなぁ。
家康サイドはいいとして、三成サイドに違和感が…大谷さんと三成の会話が特に。
三成はともかく大谷さんの性格が変わっちゃってる。
キャラによっては性格や片思いの相手とかも変わってしまっているので、人によってはちょっと嫌かもしれません。
家康の明るくて寂しそうな笑顔は想像するだけで切ないな。
観たり読んでて辛いけど、家康はそういう表情似合うと思う。
契約の赤い鐘執行までの流れは燃えた。
なかなか本心というか胸の奥の思いまでは漏らさないタイプだと思うので、その辺りの描写が結構あるのも興味深かったです。(公式か著者の解釈か微妙な所もありますが、それはそれで)
なんというか、三成を語る家康の台詞は酷いけれど、だからこそ真実で、彼がよく三成を理解しているのが分かって辛い。
関ヶ原では重要人物の一人でもある金吾さん好きなのでちょこちょこ出番があって嬉しい。
彼の変化が楽しみでもあり、天海とのやり取りもよかった。
家康が語った鍋を食べた時の秀吉の言葉とその解釈には思わず涙が…
こういうエピソードには弱い。
家康の言葉で自らにも絆が存在すると気づいてからの金吾はよかった。
色々突っ込みどころもありましたが、全体としては読みやすく綺麗にまとまっていたのではないかと思います。
家康とストーリーは凄く好みでした。
3のストーリーでは慶次のストーリーが特に好きだったので、彼が主人公の3小説も読みたい。

た行

Posted by tukitohondana

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