トゥルーブラッド10 絆の力

シャーレイン・ハリス
ソフトバンククリエイティブ
発売日:2012-03-22

スーキーは、フェイとの戦いで多くの仲間を失い、心身ともに傷つき療養生活を余儀なくされていた。
エリック、ビルがそれぞれの問題を抱え、さらにクロードがスーキーの家に押しかけてきて一緒に暮らすことに…
そんな中、現れたエリックの作り手オッケラ、スタックハウスの敷地内で発見される新たな死体。
スーキーに新たな危機が迫る。

今回はいきなり事件が起きなかった分、前回の大事件を引きずって重い空気が続いているという印象。
その静けさが恐い。
少しずつ変化しつつあるシェイプシフター(狼人間含む)と人間の関係にも注目したい。
クロードの変化には少し切なくなりながらも驚いた。
クロードと同居という展開は私としては歓迎だった。
彼が好きだというのもあるけど、スーキーとの距離感が好みなので。
亡くなった人物も多いけど、生き残っている人物の関係も複雑になってきたなぁ。
登場人物が増えてきたので、主要人物の紹介より人物相関図が欲しいかもしれない。
この人物が最強!っていうのがなくて、力関係が複雑なのもこの作品の魅力かも。
権力、実力、支配それぞれの力も別々だし。
複数の種族が、当たり前なんだろうけどそれぞれの社会を形成してい、それが時々交差するから余計にややこしいんだよな。
スーキーは人間である上に色々なグループと関わりがあるから本当大変だと思う。
うんざりするのも仕方ない。
ビルが大切に思っているあの人物に真実を伝えられたのはよかった。
某人物の最期は、悲惨な死が多いストーリー中では珍しく幸福な結末だったなぁ。
ハンターについては能力のことをヴァンパイアたちに知られないか心配。
辛い思いをしながらも他人を思いやれるいい子なので幸せになって欲しい。
ジェイソンとスーキーがいい兄妹になってきて嬉しい。
最近ジェイソンがちょっと可愛く思えてきたし。
最後の方でスーキーを恨む理由があるフェイに気づいたけど、そういえば彼は今まで登場してなかったな。
消えて欲しいと思っていた人物が亡くなったけど、途中からそんなに嫌な人物でもなくなっていただけに少し後味が悪かった。
トゥルーブラッドは、ええ!この人も!?って人物が結構殺されるので油断できない。
ラストは虚しさを感じたけど、三人で眠るスーキーたちを読んだ時は穏やかな気持になった。
ヴァンパイア、人、フェアリー、シェイプシフター、それぞれにおける血の絆がメインの話だったな。
今後、この三人どうなるんだろう。
スーキー、エリック、ビルの三角関係とはまた違う方向で気になる。

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