歪みの国のアリス

歪みの国のアリス
歪みの国のアリス

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狐塚 冬里
PHP研究所
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歪みの国を彷徨うテキストドベンチャー・ホラーゲームついに書籍化。
夕暮れの教室で目覚めた女子高生・葛木亜莉子(かつらぎありこ)は、フードを被った怪しい人物「チェシャ猫」と出会う。
怖くなり怖い逃げる亜莉子だったが、遭遇するのは妙なヒトやケモノたち。
彼らは皆、なぜか亜莉子をアリスと呼ぶ。
亜莉子は元の世界に戻るため「シロウサギ」を追い始めるけれど、その先にまっていたのは…

数ヶ月前に遅ハマりしたゲームのノベル版ということで予約購入しました。
真相を知ってしまっているので怖くないのが残念かも。
ただ、ゲームをプレイしていた時は恐かった出来事、チェシャ猫の言動が愛おしい。
ハリネズミと親方の言動は相変わらず、ちょっとこわいけどね。
食べたいぐらい好きというのは二次元的には萌え所とはいえ。
あんパンはつぶあん派です。最初彼らが出てきた時は衝撃的で笑ったなぁ。
幼い亜莉子はどういう経緯で彼らを考えだしたのだろうか。
身近につぶあん派とこしあん派がいて言い争いしているのでも見たのかな…
アリスの言葉が天の言葉というのはあの世界が何なのかを思えば、そのとおりだよね。
人生最後の日についての亜莉子の発言には同意だし名言だと思う。
廃棄くんの話って気の毒だし世の冷たさというか厳しさを物語っているようにも思えるんだけど、彼がストロベリージャムパンだというのがなんとも…いや廃棄くん好きだけど。そして、亜莉子が彼を廃棄くんと読んだ時の反応がなんだか気の毒ながらも可愛い。
雪乃の言う変なのに亜莉子は好かれやすいというセリフが真相をほのめかしているような…
この頃はまだ彼女が唯一あやしくないと思ってた。
誰もいなくなった世界に自然にいたっていうのにね。
追いかけてきた男の人の正体と理由を思うとなんともいえない。
知らなければ恐怖しかなかったけど。
ネムリネズミが可愛すぎる。何も知らなかった時からこの子には癒やされて好きだったなぁ。
このあたりにくると、ああここで違うことをしていたらあのEDだったなと思い出して楽しくなってくる。
生首になっても萌えれるのがチェシャ猫のすごいところ。
チェシャ猫がアリスに会いにきたのはなぜなのかというのがまたいいな。
歪みを吸って自分が歪んでしまっても彼らはアリスを思い続ける。
それを知った時、どうしようもなく彼らを愛おしく思ったのを覚えてる。
生きるために作られた幻。それもひとつの生き方で強さだと思う。
きっと誰にでも不思議の国はあって、その様は人によって異なっていてその世界との関わり方も違っているだけなんじゃないだろうか。
叔父さんのアリス呼びはあやしかったよなぁ。
幼い亜莉子の言うことを信じてくれた味方だったのにそれがアダになってしまったという…
シロウサギが誰なのか分かった時は衝撃を受けた覚えが、いやあやしかったけどこれは怖いと思って。
シロウサギが消える時は泣いてしまった。
わかってたはずでもやっぱりこの世界観と物語好きだわ。
アリスが真実を受け入れてこの世界で生きていこうと考えるまでの思考も好き。
あらためて亜莉子が好きだなぁと思った。
叔父さん優しい人だよね。
過去の出来事が後ろめたいっていうのあるだろうけど、それがあるのも優しいからだろうし。
この叔父姪の組み合わせは和んで大好き。
エピローグの会話はどちらも可愛くてたまらん。
このEDだと武村さんの存在がちょっと謎になってしまうけど、あれは仄めかすぐらいでいいのかも。
亜莉子が好きなのはよく出てたし…私は結構好きだけどね彼も。いいか悪いかは別として。
チェシャ猫のあのEDは1,2を争うぐらい好きだったので嬉しい。
ちょっと不安は残るけど幸せになるためにすべてを忘れる必要はないと思う。
この亜莉子なら大丈夫。そう信じたい。
あの歌の三番(?)が切なくもあたたかくてまたじーんと来てしまいました。

か行

Posted by tukitohondana

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