英国マザーグース物語―婚約は事件の幕開け!

2023年6月2日

英国マザーグース物語―婚約は事件の幕開け! (コバルト文庫)
久賀 理世
集英社 (2012-02-01)
売り上げランキング: 396,069

19世紀の大英帝国の首都ロンドン。
探検家である父を亡くした子爵家令嬢のセシルは、顔も知らない相手と結婚することが決まった。
だが、好奇心旺盛なセシルは結婚までの一年間は正体を隠し新聞記者として働き始める。

いきなり面白い。
お嬢様が男装して新聞社で働き始めたという設定も興味をそそられるけど、なによりシスコンの兄の言動に笑ってしまった。
セシルとジュリアンのマイペースコンビは悪くなさそう。
セシルは天然というか発言が時々不思議ちゃんなような。
絵が上手な侯爵兼婚約者という正体にセシルがいつ気づくのかという緊張感もいい。
男装の醍醐味はないんだけど、逆に本当の性別を相手が知っていることを本人が知らないというのも面白いかも。

本筋より兄と婚約者の会話が面白いかもしれない。
ダニエルがジュリアンの言ってることを信じられないのはわかるけど。

婚約者と会いたがらない女性の事件は、セシルとジュリアンにも通じるところがあるからジュリアンとしては気になるよね。
令嬢の行動の理由には納得。
見落としている事があるから彼女の行動が謎に見えるというのも
日常でもそういうのあるよな。
人は自分の気になる所しか見ようとしないから、物事がややこしく見えることってあると思う。

アッシュフォード家の次男が予想外で吹き出した。
この兄妹、いいわ。
それぞれ違う方向に飛んでて。

父の死に事件の影があったというのはショック。
好きな事をして生きて亡くなったというイメージを持っていたので。
ヘンリーの死の謎は王道の真相が明かされたと思ったけど、まだまだ分からないことがあるのか。
あの人が実は生きてたというのは嬉しいけど、色々やりきれないなぁ。

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