キノの旅〈2〉the Beautiful World

2023年6月2日

キノの旅〈2〉the Beautiful World (電撃文庫)
時雨沢 恵一
メディアワークス
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・狙撃兵の話
あの人の過去が初めて出てきた話。
狙撃兵はなぜあの森にいるのか、今まで誰の命を受けて人を殺してきたのかが謎。
彼が撃っていた人数を0にすればよかったんじゃないの、って思うけど、それだと彼の仕事がなくなるから駄目なのか。
この時点ですでに彼の仕事に意味があるのか微妙だけど。
・プロローグ「砂漠の真ん中にて・b」
いきなりこれを読むと意味不明;
この前に何があったのか気になる。
・第一話 人を喰った話
キノが強いてことを再確認。
この場合、うさぎの命に申し訳ないような…
ただ分かるのは、男たちもキノたちもそして男たちに食べられた人間やうさぎもただ生きてて、生きたかったってことかな。
正しいって難しい。
・第二話 過保護
これを過保護といっていいのかどうか…ただ子供を思い通りにしたいだけという印象を受けた。
現実の過保護も似たような面がある気がする。
本人の意思を尊重せず本人のためにならないという意味で。
・第三話 魔法使いの国
国民のニーミヤに対する言葉が…飛べないということにも何の根拠もないじゃないか。
新しいことに挑むって大変。
ちょっといきなり大成功し過ぎだと思うけど、ニーミヤよかったね。
飛んでからのキノと国民との会話がシュール。
しかも皆の勘違いが面白いけど酷い。
そして最後のキノとエルメスの会話が…ゆるくて好き。
・第四話 自由報道の国
皆好き勝手に書いてるな。同じ記事の中ですら矛盾があるような…
何を書いてあってもよく燃えるというのもなんだか皮肉に思えた。
どれもそのまま信用できないよね。
・第五話 絵の話
現実でもこんなもんかもね。
作品を見てどう感じるかは見る側の自由だし、どういう思いで絵を描くかも描き手の自由。
つい意味を考えてしまうけれど、正解とか間違いとかじゃなくてこれでいいんじゃないかと思う。
国語の授業への皮肉にも思えた。
国語嫌いじゃなかったけどねー。
・第六話 帰郷
男は帰って現実を見ずにすんでよかったような気も。
偶然出会った二人が認識を誤って一方が死ぬ。
残酷なことのようだけど、キノは迷わず撃てるからこそここまで生きてこれたわけだし自然なことだったように思える。
こういう所がこのシリーズってリアルだよなって感じてしまう。
・第七話 本の国
下手の考え休むに似たりは、私にとって痛い言葉。
ついつい考えこんじゃうけど、前進しないってこと多いもんなぁ;
今まで抱いた夢もそんな感じだったし。
確率は低いけれど、やってみないと上手くいくことは絶対にない。
あの人の書く物語がいつか故郷の人々の手元に届くといいな。
・第八話 優しい国
師匠がちょっと(?)わけありっぽいというのが分かる話でもあるかな。
ああ…そうか、これってそういう話か。
前半がいい話すぎて、裏側にある事実を忘れてた。
あの手紙は卑怯だわ…さくらは何かに気づいていたんじゃないかなと思うと、余計に涙が出てきた。
結末を分かってから国であったことを振り返ると何とも言えない気持ちになるな。
・「続・絵の話」
はたから見てると本当にどうでもいいというか…詐欺って言ってる様は滑稽だと思うけどね。
描き手と見る側は作品に対して別の感じ取り方をするものっていうのは今回のにも出てて、面白いなぁと思った。

さ行電撃文庫

Posted by tukitohondana

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