緑の使者の伝説(上)

緑の使者の伝説(上) (ハヤカワ文庫FT)
クリステン・ブリテン
早川書房
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喧嘩が原因で寄宿学校を飛び出した少女カリガンは、家に変える途中の森で矢を受け瀕死の男と出会う。
男はは緑の制服をまとい王家のために伝令や外交の任にあたる“緑の使者”だった。
彼から密書を王に届ける任務を引き継いた少女は、戸惑いながらも剣をとり迫る敵と対峙しながら使者の馬を駆る…
少女の成長を描く正統派ファンタジー。

嫌なことがあって寄宿舎から家へ逃げ帰ろうとしている少女にはいきなり重い話だな。いかにも成長モノという感じ。
使者は気の毒なもののいかにも物語の幕開けという展開にはワクワクもする。
いい加減でわがままと評されるカリガンにも芽生える責任感は目の前で必死に役目をたくし息絶えた使者の存在ゆえかそれとも。
役目を引き継いだ者には不思議な力が働くゆえなのか。どちらにしてもヘビーだな。
今となっては使者の恋文が死亡フラグにしか思えない。
切ないのだけれど。
カリガンが寄宿舎から逃げ出した経緯を読んでなるほどと思った。
確かに気は強いようだ。気弱なら使者フライアンに出会った時点で逃げ出しただろうしな。
誓いの重みは誓ってから気づいたのだとしても。
喧嘩の理由はまだ分からないけれど、喧嘩相手の方が悪いというか酷い気はしてきたなぁ。
カリガンがそんな悪い子に見えないせいもあるけど。
喧嘩相手って今回の敵の息子だったのね…そのことに気づくのに時間がかかってしまった。
冷静で前向きで勇気もある。
カリガンが使者の役目をひきついでよかったのかも。誰でもこうはいかない。
むしろ必然だったのかも。
ジェンダラたちに騙されている村人たちのキツイ仕打ちに耐えれるカリガンは正直に凄いと思った。
子どもたちからの贈り物に素直に感謝できる心も持ったままだし。
レンドル先生やスティービック、エストラルの話を読んでますますカリガンの無事を祈りたくなった。
レンドルさんはいい先生だなぁ。
皆、まさかカリガンが緑の使者をやっているとは夢にも思ってないだろうな。
それにしても、てっきり緑の使者って一人なんだと思ってた;
そういう部隊があるのか…役目を考えると一人じゃ厳しいよね。
ジェンダラは改心してくれたらいいのになとちょっと思ってしまった。
トーネやギャロティと戦うシーンは痛快だったし、ジェンダラの命を奪わなかったカリガンの甘さとも言える優しさは好感の持てるものだったので。
手助けしてくれる者たちとの出会いもあるものの、追っ手の追撃は途切れることなくさらに犠牲者も増えていく。
いつカリガンが他の緑の使者と合流できるのか、それとも最後までカリガンとホースだけの旅になるのか。
続きが気になるな。

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Posted by tukitohondana

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