十二国記 風の海迷宮の岸・黄昏の岸暁の天
天蝕によって蓬莱へ流された戴国の麒麟が主人公。
十年の間普通の人として育ったために、麒麟に姿を変えることさえできない
泰麒。幼い彼が無事王を選ぶまでを描いたお話。
後々陽子とも縁がある戴の物語。
蓬山での麒麟や女仙たちの生活はもちろん、景麒の過去が見れるだけでも嬉しい作品です。
景麒や延麒ではあまり分からなかった麒麟の育ての親である女怪との関係も描かれている点にも注目。
景麒の言動で幼かった泰麒は救われ、慶の前女王舒覚は道を誤った。
良いことがあったからといって全てが上手くいくわけじゃない、誰が悪いわけでもないのに悪いことは起こるという現実的な面が出ていると思います。
驍宗は魅力的に感じる反面、ちょっと苦手なのですが、彼を慕う泰麒の姿は微笑ましく、麒麟にとっての王とはどういうものなのか改めて教えてくれました。
単純に可愛い泰麒目的でも読む価値があります。
無事に王と麒麟を得た戴国に危機が！？
反乱鎮静から戻らぬ王と姿を消した麒麟、荒れる国を救うため
将軍李斎は景王陽子に会うため慶を目指した。
泰麒のことは好きなので、この後どうなったのかが非常に気になります。
陽子の周囲の変化と、未だに抱える問題。慶の今後も気になるところです。
戴の事件を巡って陽子が示した考えが、十二国全体にどの程度影響を与えるのかも気になります。
読めて嬉しい部分も多い分、とにかく先が気になる状態で終わったためすっきりしない作品でした。