十二国記 風の万里黎明の空・華胥の幽夢

風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート風の万里 黎明の空(下) 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
玉座につき苦悩する陽子、それぞれの理由から陽子に会いに行く二人の少女。
彼女たちの不思議なめぐりあわせが慶に新たな風を巻き起こす。
シリーズで一番好きな話です。
人の上に立つとはどういうことなのか?頭を下げるということは?
いろいろ考えさせられました。

終盤の陽子の正体を周囲にばらすシーンが好きで毎回楽しみに読んでいます。
己の境遇に苦しみ悩む三人が大切なことに気付き新たな一歩を踏み出すまでの物語。
祥瓊の物語は読んでいて辛い場面も多いですが、彼女が楽俊と出会い変わって行く様は読んでいて気持ちがよいです。
鈴は共感しやすい面が多いだけ、余計に色々考えさせられた気がしますね…
不幸だと考えることのあまり認めたくない側面については納得。

息抜きとしては、景麒と陽子のどこか微笑ましい主従関係が見所。
一見険悪そうでも失道していない麒麟と王は、どの国でも見ていて和みます。
景麒の下僕発言には笑いました。
間違いではないんですが…景麒はあの真面目ゆえのちょっとずれてる感じがたまりません。(一番好きな麒麟は景麒です)

穏やかな優しい話から重い悲劇まで集めた十二国記短編集。
他の物語の裏側や、楽俊メインの話もあるのでシリーズの他作品を読んでから手に取るといいと思います。

あ行

Posted by tukitohondana

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