絢爛舞踏祭―Brave New World

絢爛舞踏祭―Brave New World (電撃文庫)
明神 真琴
メディアワークス
売り上げランキング: 1,114,318

2059年。
怪現象により火星は水の惑星となり、人類は小型ロボット・BALLSとともに火星を目指した。
2249年。
太陽系の人々は船団国家・ネーバルウィッチと戦争状態に突入し、真の平和が訪れると信じ勝利を目指し戦い続ける。
そして、西暦2252年。
紛争に揺れる火星には、人々が夢見た平和はなかった。
転属されたばかりの火星で軍に追われる身となったパイロット、ハリー・オコーネルは都市船・パヴォニスで平和の夜明けを目指して戦う人々と出会い…
PS2ゲーム絢爛舞踏祭のプレストーリー。

PS2ゲーム『絢爛舞踏祭』のノベル版。やはり原作知っていた方が楽しめるかと思います。
まず、ネーバルウィッチと太陽系総軍との戦争の時から始まることもあり、太陽系総軍出身者が好きなら特におすすめ。
ハリーとドランジがいい味だしてて、好きですね。
マイケルの可愛い言動もゲームのイメージのまま、で好感が持てました。
最初はシリアスですが、夜明けの船の中に視点が変わると、ミズキ、タキガワ、マイケル、カオリ、イカナ、ポー教授たちのやり取りが面白くて笑えるところもちらほら。
そして、最後はアリアンというかヤガミ好きにはたまらないです。
やられました…
大きな計画のためなら、冷徹な判断を微笑みながら下せる男。
決戦存在に対して語った後「そのためにいまは。――今だけは、俺の隣にいる」と微笑みながら言う彼を想像してなんともいえない気分に。
いや、色々な意味にとれるんですもの。
希望の戦士は彼に利用されているんだろうかという反面、彼は希望の戦士が隣にいることを喜んでいる感じもして…なんだか萌えてしまった;
【再読】
懐かしい…ゲームもはまったけど、この世界観たまらないです。
BALLSいいな。
こんな存在がいずれできれば…と思ったけど、ネーバルウィッチとの開戦のこと考えるとちょっと微妙かも。
そんなこと言ってる場合じゃない状況だけど、クララに癒されるわぁ。
ゲーム中ではキャラクターの個性については多少想像力が必要でそれはそれで楽しいものでしたが、こうやって個性が設定された小説で読むのもいいですよね。
想像していたのと少し違っていたりするのも面白い。
軍から抜けてハリーへの態度を変えることを求められたマイケルの戸惑いが微笑ましい。
スミスがやってきたことを知って、これは酷いと思ったものの…私もゲームプレイ中は《夜明けの船》で海賊行為やりまくってたからなぁ;
なんか複雑な心境…
マイケルが夜明けの船を見に行くというのは、外部の人間の視点で船の中を観てる気分にもなれて嬉しい。
イカナ…彼の独特の表現方法が面白くてよく話しかけてたなぁ。
カオリのいきなりのパンチに吹いた。
わかってはいたけど、久しぶりに読むとこの船のメンバーカオス過ぎると思った;
好きだし楽しそうなんだけども。
ローレンスは志はいいけど苦しい立場だな。
でも、執政官たちが我欲に囚われずあるがままのものを見ることができる人たちでよかった。
厳しくちゃんと意見をいってくれるし。
ローレンスと彼らなら、ゆっくりでも火星をいい方へ導けるかも。
…と考えていた矢先にあの出来事が…
いつか彼らの思いが火星の明るい未来を作ることを願います。
登場人物が多いのであまり考えたことなかったけど、この小説の主人公が誰かっていうとハリーかな。
ハリーとマイケルも好きだけど、もう少し夜明けの船内部の話を読みたかった。
ローレンスと執政官たちは惜しかったなぁ。
ハリーが火星で戦う理由があると気づくシーンは涙が。
こういう普段冷静な人物が感情的になるシーンはいい。
アリアン…黒いわぁ。
そうか、彼は今回の黒幕の一人といえたのか。
彼の冷徹さは萌えるが、色々あったことに素直にショックを受けながら読んでいた身としては辛い。
ミスミにやっている事と今回の一連の出来事で目的のためには手段を選ばない所がよくでているし。
まぁ、でも何が本当に辛いって、彼はただの悪党じゃなくて確かに百年の平和のために動いているというところかも。
決戦存在の事を口にして、今だけは俺の隣にいるといって微笑むヤガミがやばい。
やっぱり好きだわ。
彼と主人公の関係も。

ま行

Posted by tukitohondana

inserted by FC2 system