殺人鬼オーストゥンに帰る

パートタイムの大学教授で駆け出しの探偵のトレス・ナヴァー。
事故で両足を失った兄ギャレットが始めたIT企業が破綻し、農場が担保に入っていたと知ったトレスは兄のもとへ向かった。
そこで、射殺された共同経営者殺害の容疑が兄に降りかかる。
兄と衝突しながらも冤罪を晴らすべく謎を追うトレス。
明かされていく兄の苦い過去、友人一族の暗部、そして新たな死体が…
殺人鬼の真の狙いは何なのか?
まだ読んだ事なかったシリーズ四作目だと途中で気付いたのですが、問題なく読めました。
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々シリーズが面白かったので、同作者の専門であるミステリの方も読んでみたいと思ってました。
ジャンルも訳者も違うけれど、なんとなく漂う雰囲気は同じ気がします。
ブラックジョークというか皮肉が大量に入ってていい感じ。
マシュー・ペニャがあやしいとか胡散臭いを通り越してるんだけど…一体何者なんだろう?というのが最初気になったこと。
良し悪しと好き嫌いはイコールになるとは限らないとはいえ、この作者の書く作品の登場人物はどちらかというと性格悪そうなの多いのに皆魅力的なんだよな。
嫌な奴でも嫌いになれないというか。
ロペスも好きだな。
皮肉っぽいけどユーモアもあるし、友好的ってわけじゃないけど協力的な所もポジション的に美味しい。
私立探偵トレスと弁護士マイアのコンビが自然でいい。
仲は良くないんだけど、互いを皮肉る言葉は親しみを感じるし、一緒にいて凄く自然な気がする。
どこかに狂気が潜んでいるんだろうと感じつつ、それがどこにいるのか、その正体が分からず不気味でした。
いかにも敵らしかった人物は犯人じゃないと思ってたけど、実際の犯人もちょっと疑いを持っていた人物だった。
メールの文章と性格が一番しっくりくるなと感じていた人物。
味方だと信じていた頃もあったからちょっと悲しかったけど…
某人物とともに行動するという展開は予想外で燃えた。
敵対していた人物と協力することになるという展開は好き。
最初に登場した時から、これは好みの悪役と思っていた某人物。
最後までやっぱり好みだったな。印象は変わったけど。
印象といえば一番変化があったのはギャレットに対してかも。
少しずつ好感度が上昇した人物でした。
ラストに近付くとまんまと騙されてたというか思い込みが複数あったことに気付いて、ああ真相はこうだったのか…と驚かされた。

ら行

Posted by tukitohondana

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