若葉のころ

長野 まゆみ
集英社
発売日:2001-11-26

京都の大学へ進んだ凜一。
彼のもとへに渡米して三年近く音沙汰のなかった有沢が訪ねてくる。
別の人に思いを寄せながらも凜一の心はざわつく。
氷川への思いを断ち切ろうとする凜一だったが…
シリーズ完結編。
冒頭の有沢の行動に怒りや驚きを通り越して呆れていたのですが、彼の状況を分かって納得。
理由があれば何をしてもいいわけではありませんが、不安定になっていたのは仕方ないかなと…
凜一の性格や生き方は周囲に咎められることが多いですが、あの不器用さが私は好きです。
放っておけないタイプにも弱いんですよね…
登場人物の多くが彼を構うのが分かります。
それにしても相変わらずドロドロというか恋愛感情の絡みというか三角関係とか多いですよね;
一方通行も。(一方通行萌えなので嬉しいのですが)
ここまで来るとむしろ淡々としているように感じます。
あー、千迅さんと凜一の会話がやっぱり好きです。
読んでいると自然と頬の筋肉が緩む。
氷川と凜一の関係は今後にも不安があるけれど、変化があったのはいいことだと思います。
恋愛面だけでなくやっと二人とも前に進めたんだなと嬉しくなりました。
皆何か(誰か)大切なものを失って、欠けた部分を埋める存在を求めてる。
その姿が愛おしくずっと見守りたくなる物語でした。

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