白いひつじ(長野まゆみ)

長野まゆみ
筑摩書房
発売日:2009-11-27

鳥貝は進学のために上京し住む部屋を探し始める。
大学で会った学生に男子寮を紹介され訪れた洋館には才気溢れる個性的な青年たちが住んでいた。
彼らに翻弄され心を揺さぶられる中、微かな記憶が蘇ってきて…
今回の主人公は人付き合いが苦手なわけではない…というようなことを本人が思っていますが…
本当に?と疑いたくなることがしばしば;
無自覚に揉め事に巻き込まれていそう…
読み進めるとなぜなのかは分かっていきましたが。
寮のメンバーが皆それぞれ個性的で独特な魅力があっていいですね。
露骨なのに強引でもない、微妙な加減が萌えました。
それぞれの愛情や好意…想いの形が自然でゆるやかに伝わってきます。
長野さんの作品が多くの愛情の絡みを書いてもドロドロにならないのは、その辺の表現のためなのかもしれないと思いました。
百合子さんがここまでメインぽくなるとは初登場時思いもしませんでしたが、彼の言動が好きです!
作中に登場するオムレツが食べてみたいです。美味しそう!
プロローグ部分が物語のどこでどう交差するのか気になりつつ読んでいたのですが…
幻のような思い出の真相は少し寂しいけれど温かいものでした。
長野さんの描く家族もいいなぁ…
最後の寮のメンバーの会話は和みました。
あんなおちがあったとは(笑)

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