レッド・クイーン

レッド・クイーン (ハーパーBOOKS)

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メアは貧しい村で家族と暮らしている普通の奴隷階級の少女だった。
ところがある日、奴隷階級の“レッド”が決して持つはずのない支配階級“シルバー”の力に目覚めてしまう。
王家に捕らえられたメアは“行方不明になっていたシルバーの王女”に仕立て上げられ…

この小説を読む前しばらくソシャゲに没頭していたんだけど、久々に小説にはまった。
世界観や登場人物がなぜか惹きつけられる魅力を持っている。(特別好ましいところがあるわけでないので謎)
スリの少女が突然支配階級の持つ力に目覚めるのだけど、そこまでもじっくり書かれていて、少女メアがどんな人物なのかよく伝わってくる。
先が読めないわくわく感が凄い。
メアの生きる世界がまったく変わってしまい彼女が重い枷をはめられるが、それまでの悩みがすべて解消する。
王族が約束を守ってくれさえすれば彼女の家族と友人は苦境から脱出できる。
喜んでいいのか悲しめばいいのか迷うけれど、メアのことは応援したいと思った。

スカーレット・ガードのような組織ができるのは納得な世界だしメアの力の今後が楽しみ。
それでも期待だけでなく不安も大きいのは敵であるシルバーにも好ましい人物が複数いるからなんだよな。

ロマンス要素がないと感じていたのに、出陣前のカルの夜のダンス指導はいきなりのときめくエピソードで驚いた。
実家の様子を見に行く時も初めて言葉を交わしたシルバーもカルなので、メインの相手はまず結ばれない立場にいる彼の方なのか。

スカーレット・ガードの計画性のなさというか、準備の甘さにはちょっぴりがっかり。
あの人の裏切りについては気になる箇所はあったけど、そうくるかという感じ。
結末を読まないといけない気分にさせられるラストでした。
絶望して終わるかと思えばほんのり希望も見せてというのがいい感じ。

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