チョコレート・ダンディ ~可愛い恋人にはご用心~

チョコレート・ダンディ ~可愛い恋人にはご用心~ (コバルト文庫)

チョコレート・ダンディ ~可愛い恋人にはご用心~ (コバルト文庫)posted with amazlet at 19.08.24我鳥 彩子
集英社 (2016-01-29)
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金と身分が目当ての女性たちに絶望していた公爵家嫡男のオスカーは、友人ユーディに唆されとある賭けに乗ることに。
それは、小説家志望の少女アデルを匿名で支援するというものだった。
欲しい物すべてを与えてアデルが堕落すればオスカーの勝ち、甘えず夢を叶えればユーディの勝ち。
ところが、贈り物にも自分の身分にも関心を示さないアデルにオスカーは興味を持ち始めて…

オスカーが酔った勢いで賭けに乗り、援助を受けることになったアデルはラッキーなのでは。
アデルの妄想力たくましいところが読んでいて楽しい。
チョコレート・ダンディのタイトルはアデルの妄想したおじさま像なんだな。
アデルの手紙の内容が可愛すぎて微笑ましい。
こんな手紙なら届くのが楽しみになるだろうな。

オスカーがバザーでアデルに自分は地位もお金もあると教える場面はどうみてもあやしい…
あれでなびいたらただのバカでは;
手紙で鼻持ちならない貴族のボンボンと書かれていて仕方ないなと思いつつも苦笑。
アデルが世界の広さを知ったように、オスカーも色々なことに気づいていくのがいいな。

アデルが孤児であることを学園の皆が知ることになるのがちょっと早いかな。
結果アデルが友達やクラスメートと「チョコレートおじさま」について楽しそうに話せているからまぁいいのか。
チョコレートおじさまと賭けのことがバレた時もあっけなくて、それでいてアデルの思考は面白くオスカーが困惑しているのが可愛くてよかった。
付き合うことになったあとのやり取りが、本当に付き合うのに付き合うふりについての取り決めをしているようなのがなんとも…

ルイザの意地悪は浅はかすぎてなんか腹もあまり立たなかった。
意地悪するより仲良くした方が利点あると思うんだけどな;
もしくはそっけなくする方がお互い嫌な思いをせずにすみそう。
前向きだけど現実的で悩み、落ち込む。アデルは人間らしくていいと思う。

夏の話で一話の内心を知り、思っていたより色々考えていたのだなと感心してしまった。
表向きの行動や言葉だけを読んでいたときとだいぶ印象が違う。

オスカーがはっきりアデルと結婚すると言えるところは凄いと思う。
ヴィクトリアン・ローズ・テーラーみたいに身分差ゆえの辛い恋もいいけど、こういう明るい身分差ものもいいよね。

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