塩の街
塩が世界を埋め尽くす塩害によって日本の社会は崩壊寸前の時代。
偶然の出会いを経て共に暮らすことになった男と少女、秋庭と真奈。
東京で静かに暮らす二人の前に様々な人々が現れ、彼らに変化をもたらしていく。
いや、これだけ泣いた小説は久しぶり。
追い詰められた世界でそれぞれが抱く様々な形の想いが描かれていて、どれも素敵でした。
最初の物語が一番衝撃だったように思います。
残酷で悲しい世界観を理解する上で効果的だったかと。
全体的には言葉に出来ない切ないエピソード満載だったけれど、ほんのり温かくなれる物語でした。
有川さんの小説はハッピーエンドだと分かっているので安心して読めますね。（主人公たち以外は必ずしもそうとは限らないのですが）
実際にこうなったら絶対嫌だな、という設定が多いですが；
だからこそ、こうなったらどうなるだろう…と色々考えさせられます。