海の底

有川 浩
メディアワークス
発売日:2005-06

横須賀に巨大な甲殻類が来襲した。
孤立した潜水艦「きりしお」に逃げ込んだ少年少女たち、甲殻類たちに餌とみなされた市民を救出するため横須賀を駆ける機動隊。
海の底から来た『奴ら』から横須賀を守れるのか!?

巨大なザリガニが大量に陸に上がってきて人が食べられていくという内容です。
個人や社会の描写がリアルなのでびっくりな設定も違和感なく受け入れてしまう説得力があります。
洋画とかならパニックモノのような設定ですが、実際は怪獣モノっぽいかな。
以前ふと「海老って海の中にいるからかわいく見えることもあるけど、地上を歩き回っていたらなんだか気持ち悪いというか怖い気すらする」と思ったことがありまして、この小説を読んでいてその思いが強くなりました。
まぁ、レギオンのこともちょっと思い出しましたが;

閉鎖された空間でそれぞれの問題と向き合うことになった子供たちの物語と機動隊と自衛隊の活躍と駆け引きがメインかな。
有川さんの小説はステレオタイプの嫌な人も出てくるけど、素敵な大人が沢山登場するなぁと改めて思いました。
何気ない脇役が妙にかっこよかったりするのも好き。
大人から子供までそれぞれの戦いの終盤付近は特に見所満載です。
そして、恋愛要素部分ではこの「海の底」が一番萌えました。
二番目が「塩の街」かな。
物語的には「空の中」が一番好きです。

あ行

Posted by tukitohondana

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