麗しき巡礼の姫 黄金の魔女が棲む森

2023年6月2日

ミラノ大司教が亡きテオドシウス帝に大帝の称号を与え、大聖堂の聖遺物を東方ローマ帝国の皇帝に譲渡することになった。
皇后エウドクシアがミラノへ行幸することになり、近衛騎兵隊長のレギウスは彼女に付き添うことになった。
レギウスの領地の隅で生活していたシフは、護衛として同行するようにレギウスに頼まれるが…

今回はシフ自身が隠している秘密等がなかったので、その分前よりも読みやすく楽しめました。
何者なのか分からないフリフという青年にシフが恋心を抱いたり、レギウスの元恋人である義妹(皇后)が登場したり、ほんのりときめき要素もあります。
が、前回同様にそちらはメインというよりごく自然に出てくるといったところ。
これぐらいが心地良く思う一方で、今後のシフとレギウスの関係がどうなるのかは気になるところです。

それにしても、今回の話でルヴァーがシフにとって家族のような存在だったんだなと改めて実感しました。
もちろん互いを罵りあっているのも本心が入っているのでしょうが、それだけじゃなかったんだな…と。(そもそも、そうじゃなきゃまた一緒に暮らしたりしませんよね)

エウドクシアの嫌な女っぷりが凄く、ここまで分かりやすい上に物語中で出番の多い苛々するタイプは珍しかったかもしれません;
レギウスはやっぱりシフと一緒にいるときが生き生きとしていていいです!
二人のやりとりは読んでいて面白いですし。

巡礼の姫については、ああやっぱりそうかという真相。
仄めかしている箇所が何度もあったので、明かされた時は「やっと明かされた」と思いました。
最後にはほっとしつつも笑いました。

あ行

Posted by tukitohondana

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