三国志〈2の巻〉参旗の星【再読】
角川春樹事務所
売り上げランキング: 45,961
かつての都は焦土と化し、董卓は遷都した長安にて暴虐の限りをつくしていた。
その頃、病に伏せる妻に気にかける呂布に、野望を抱く王充は姦計をめぐらす。
一方、百万の青州黄巾軍に三万の兵で挑む曹操、亡き父・孫堅の意志を継ぎ覇業を目指す孫策、予州で関羽・張飛とともに機をうかがう劉備。
北方三国志第二巻。
呂布は瑶に母親の代わりを求めていたのか。
なんとなく分かってはいたけど、具体的に胎児になって彼女の中で眠りたいまで思っていたとは。
危ういな。
まだまだ甘えたかった頃に失ってしまったことに起因するんだろうかとも思う。
瑶や赤兎に対する言動を読むと愛することや優しさを知らないわけではないんだよね。
表し方が分からず戸惑っているように見えることはあるのだけれど、それは言葉や形で表す場合であって、態度は出ているみたいだからなぁ。その不器用さが堪らない。
董卓が何を考えているのかよく分からない。
呂布に女を与えたのは価値観の違いだとして、その他のやることがなぁ…
呂布の理解者が彼の主君になって上手く使っていれば、主君も呂布も幸せだったのになと思ってしまう。
人との縁は運もあるもんな。
コンプレックスが強くて頭も硬かった曹操の思考が柔軟になってきた。
許チョや典韋も出てきてこの軍も盛り上がってきたな。別れを思うと複雑だけど。
陳宮の武力と政治を行う者は別であるべきという考えは時代としては先進的でいいと思う。
ただ、曹操を裏切った点だけ見るとあまり信用できないんだよなぁ。
劉備と呂布が組むというのはロマンを感じる。
自分の治める領地をわざと取られるという策を考え実行できるのが劉備軍の強みの一つで怖いところ。
目的のためには切り捨てなければいけないものもある。けれど、なかなか捨てられないのが人なので。
呂布が曹操とあうかというとこちらも微妙な気がする。
まだ、劉備と早い内に出会っていればという方が希望があるのでは。
わざと負ける戦はできなさそうなのはともかくとして。
赤兎と呂布、成玄固と呂布の会話がたまらなく好き。
呂布の終わりが近づいてきているので辛い。