王子とワルツと懐中時計―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

王子とワルツと懐中時計―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)
青木 祐子
集英社 (2013-05-01)
売り上げランキング: 556,535

結婚して一年が経過し、女王主催の宮廷舞踏会デビューを控えたクリスは、予行演習としてある舞踏会に出席することに…
書き下ろし4編が収録された短編集。

・二年目の舞踏会
パトリシア懐かしい。
こうやって再登場すると、たくさん出てきたお嬢様たちもそれぞれ個性があったなぁと思う。

端から見るとライとパトリシアはバランスのとれたいいカップルになりそうって感じる。
隣の芝生は青く見えるよね。

シャーロックとアントニーの会話が面白すぎる。
クリスを好きすぎて冷静じゃないシャーリーは可愛いな。
アントニーが本当しっかりものになっちゃって凄い。

昔の薔薇色を思い出すとガブリエルのような存在が現れるとは想像もしてなかった。
もちろんパメラがお店を離れることも。
色々変わったけれど、それが心地よいもので嬉しい。

他の男の人とダンスして楽しそうにしているクリスを見て嫉妬するシャーリー。
結婚してもこういうところが変わらない二人が楽しい。
なんやかんやで二人とも素直に気持ちを伝えるから、大丈夫なんだよね。
誤解があっても、この二人なら解決できるという信頼がある。

・彼の懐中時計
アントニーの過去から今までを振り返るお話でもあったかも。
彼が港町の酒場でかけをしていた頃からシャーリーの従僕として成長するまでの間に関わってきた重要人物との会話が結構あった。

レナードは同情の余地はあるんだけど、色々残念なのでフォローのしようがないんだよな。
彼に必要なのは従順なバリーのような従僕ではなく、道を間違えたら正してくれるような人物なのでは…彼に厳しいことを言って受け入れさせるのは難しそうだけど、
厳しいけれど愛があって、人を動かすのがうまい人が恋人か友人になってくれたらいいのにな。
他力本願だけどもうここまで来たら、運命を変えるような出会いとか衝撃的な出来事でもないとな…

やっぱりシャーリーにはアントニーがいてくれてよかったんだなという結論。

・青の弾丸の騎士
ジャレッドそういう設定だったっけ?
記憶があやふやすぎる。やっぱり最初から読みたいな。

アルフレッドは冷静で感情ではないところで判断しだすタイプだけど、時々すごい感情的というかロマンチストだなと思う。
このアンバランスさはシャーリーと似てる。

・おにいさまと秘密の写真
可愛すぎるお話でした。

あとがきであきさんのエドも見れて幸せ。

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