ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹

【ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹】
死なない研究をしている木賀峰約に呼び出されたいーちゃん。
夏休みのアルバイトとして研究モニターになって欲しいといわれ研究所を訪れたのだが…

今まで殺人に関しては傍観者でいられたいーちゃん。
でも今回は彼にとっても辛い事件となり、おかげでいーちゃんの人間臭さが増していきます。
亡くなった人物が好きだったので複雑ですが、殺した彼も戦った彼女も互いに譲れない自分があったのだと思えば…
新キャラの匂宮兄妹も結構好きなキャラです。
最初はうーん可愛いけどちょっと…と思っていたのですが、私にとって出夢は登場するたびに違う魅力が見つかるキャラです。
≪再読≫
主人公の僕の記憶の仲の巫女子ちゃんに懐かしさを覚えつつ、これからも登場人物が次々と亡くなるんだよなぁ…とちょっと憂鬱になる。
でも、この巻から私の好きなあの人も登場するんだよね。
今までは周囲の人間の付き添いや助手として事件の舞台へ行くことになっていたけれど、今回はいーちゃん本人に直接誘いがきたという微妙な変化が。(あ、でもクビシメロマンチストもそうか)
巻き込まれ型から自分の意思で厄介事と関わるかどうか決めることができる立場になった。
トラブルというか厄介事に好かれているっぽいのは相変わらずだけども。
春日井春日さんが出てきた頃はまさかこうなるとは思わなかったな。
いーちゃんとの会話面白いから嬉しい。
潤さんといーちゃんコンビの会話は自然になってきたなぁ。
一緒にいるのがいい意味で普通になってきた気がする。
この二人の関係好きだ。
狐さんの強引さはやはりあの人と親子らしいというかなんというか…二人ともその強引さが好きだ。
狐さんや理澄といーちゃんの食事にいたるまでのやりとりがいい。
敵と気付かずに主人公が敵と出会って一緒に行動するのってロマンを感じるよね。
好きな展開です。
出夢の理澄に対する感情にほんのり和み、いーちゃんと姫ちゃんの会話に切なくなった。
これからの展開知ってるとこの辺りの会話読むと辛くもしみじみと感じるものがある。
姫ちゃんとの最後の会話と回想シーンの会話はじわっときた。
今まで以上の友の怖さを見た気がする。
あの無邪気で傲慢な所も今では可愛いと思えてしまうけど。
残酷で悲しい物語が大きく動き始めるとともに熱く痛々しい部分もあり、少しずつ変化していたいーちゃんにも大きな変化の節目となる作品。
みいこさんに対していーちゃんがぶつけた言葉と本心。
今までの自分の思考を捨てられず胸の内にうずまくものをもてあましてる彼にみいこさんが向けた言葉に胸が熱くなった。
やっぱりこの人も普通ではなかったんだなぁ…という感想もよぎったけどみいこさんかっこいい!
痺れる。
ふっきれたいーちゃんとみいこさんの別れの会話がまたたまらん。
どっちもかっこいい。
その後のオチには吹きだしたけれども;
ああ、そうか。
どうもはっきり覚えてなかったんだけど、私が狐さんに落ちたのは、いーちゃんに最初に“初めまして 俺の敵”って言った瞬間だわ。
私、主人公にこういう言動取るキャラ好きだからな…狐さんは登場した時から好みのキャラだったけどこの辺りの会話は特にツボだったんだよね。
終章では笑って和んだ。
その前の戦いでの緊張感が一気にゆるんでいい。
色々あったしこれからもあるけど、最後にいつもの場所に帰って来たって思えるとほっとする。

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