零崎双識の人間試験

“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一族「零崎一賊」。
その長兄にして切り込み隊長、“二十人目の地獄”にちして大鋏“自殺志願”の使い手、零崎双識。
行方不明の弟探しをする彼の旅は、未曾有の逃走劇の幕開けだった…
いきなり始まる双識さんと慈恩君の会話が面白い。
生と死に対する独自の認識も含めて零崎一賊には惹かれるものがある。
双識さんの場合は弟が好きな所と普通っぽいところと変態っぽいところのバランスが好き。
伊織の思考もどこかぶっ飛んでいて面白い。
でも、双識さんが出てくると普通の女の子に見えるのがこれまた…いいね。
二人の会話には笑ってしまった。
人が死んでいて、殺してしまった人物がいることが異常なことのはずなのに、この二人の前ではそうではない。
そこが自然と伝わってくるのが面白い。
戯言シリーズでも人間シリーズでもとんでもない異様な人間が多く登場する。
彼らはそれぞれの信念を堂々ともっともなことのように語るので、そういうものかなとついつい納得してしまいそうになる。
そんな彼らが好き。
双識さんが伊織をしばった時はおいおい…と思ってしまったけれど、後々良かったのか悪かったのか…判断がつきかねている。
伊織の家族に対する双識さんの言葉にはちょっと感動した。
いつもは登場すると嬉しくたのもしく感じている潤さんの出番。
それが今回はなんとも言えない気持ちになった。
あの人が出てきたら勝ち目はない気がする。
潤さん敵だと恐いなぁ…と、まあ、私もまんまと騙されていました。
人識が零崎の中でも特殊な存在だというもよく伝わってくる。
というか、彼こんなに強かったっけ…いや、強さがどうこうってレベルの問題ではない気がするけども。
伊織と双識が再会するシーンを読んでいると好きだなあと思う一方で零崎は敵に回したくないなと改めて思ってしまった。
人識と伊織が双識について語るシーンはしみじみとしてしまった。
零崎のつながりを感じる会話でもあって好きだけど切ない。
あの人に関しては、偽者もとんでもなかったけれど、本者はもっととんでもなかったという…
でも、やっぱりあの人のこと大好きだ。

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