聖者は薔薇にささやいて―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

『薔薇色』の売り子パメラの前に彼女の過去を知る紳士が現れた。
パメラとシャーロックの仲を疑った彼は、シャーロックの従僕であるアントニーと接触して…
伯爵家の舞踏会で繰り広げれる少女の恋の駆け引きの行方は?
表題「聖者は薔薇にささやいて」+短編2作+ミニ漫画が収録されています。

■聖者は薔薇にささやいて
ついつい忘れそうになるけど、パメラも色々あるもんな。
逃げてきた二人なわけで、過去を知っている人間の中にはもう関わりたくない人間もいる。
クリスはもちろんパメラにも幸せになってもらいたいから、いつか対峙する問題ではあったけど心配でした。
シャーロックのクリスへの想いって時々腹が立つけど、基本的にデレデレで読んでて恥ずかしくなってくる。
いや、微笑ましくて好きだけど!
ツンデレというよりクーデレな気がするかな。
アイヴォリーのことはどうしても好きになれなかった。
アントニーの元恋人は彼の生まれを恥じていたわけではないと思うけど、同じことを言われたら私も嫌だろうなと思うから複雑だ。
少しの嘘は平和と幸福のために必要だろうし、正直に誇りを持って行きたいというのも分かる。
コンプレックスがあると正直に生きるのも難しいよね。周囲の目がどうとかよりも。
パメラのことを侮辱されて怒ったイアン先生がかっこよかった。
パメラはアイヴォリーのようなのにも好かれるけど、ちゃんと彼女を見てくれるイアンやアントニーのような男性とも出会えてよかった。
■ミニまんが
あきさんの描く可愛い話が読めて幸せ。
シャーリーがオタクだというのは吹き出した。
あながち間違いでもないような;
■午後のクッションと小さな賭け
穏やかな午後のひとときって感じでいいね。
アントニーがラッキーだったかな。
■卒業前夜
遊び的な恋愛はしあことあったシャーリー。
相手を傷つけてしまうけどあしらうのは下手でもないもんな。
単に性格だと思ってたけど。
あとがきに笑った。そう言われてみればそうかも。

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