英国マザーグース物語 聖夜に捧ぐ鎮魂歌

2023年6月2日

英国マザーグース物語 聖夜に捧ぐ鎮魂歌 (コバルト文庫)
久賀 理世
集英社 (2013-06-01)
売り上げランキング: 623,017

ジュリアンが政府の間諜で、セシルに近づいたのは子爵家の内情を探るためだったと知ったセシルは、ジュリアンの告白を信じることができない。
それでもひとり記者の仕事を続けるセシル宛に王家主催の舞踏会の招待状が舞い込んで来て…

いきなりクライマックスだなこれは。
ジュリアンについては今までふわっとしてた部分が明かされて魅力が増したように思える。
今までは絵が上手い変わり者の貴族で優しい人だったからな。
ただ、この展開はセシルにもジュリアンにもダニエルにも辛すぎる。

取り乱したシーンで心配したものの、アビゲイルと話をするころには落ち着きを取り戻していたセシル。
新聞記者の仕事も続けるという姿勢には胸をうたれた。
これはセシル自身の生き方だけでなく、周りの理解者たちもあってそうあれるんだと思う。どちらも大事。
アビゲイルは思っていたよりも穏やかで信じられそう。
出会ってすぐに不安になる出来事があり第一印象があまりよくなかったので誤解してた。

不安な時でもアメリアが出てくるとちょっと明るい気持ちになるな。
エリザベスといい、セシルが友人に恵まれていてよかった。
そしてピンチにかけつけるジュリアンが!?やっぱり彼にはセシルと幸せになって欲しい。

ガブリエルがしれっと再登場していてちょっとびっくりした。
結構好きなので嬉しい。

サミュエルが本当天使すぎて可愛い。
今回は彼とダニエルとレナードがキューピットですね。
彼らの行動や言葉がなければジュリアンとセシルの心は離れてしまったままだった。
ジュリアンの画帳の内容が、本当にセシルが好きだったんだなというものであたたかい気持ちになった。(二人が両思いだからこそというのもあるけど)

ここで終わるなんて拷問か…最終巻まで買っておいてよかった。

inserted by FC2 system