恋のドレスと約束の手紙―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

ある日『薔薇色』に現れた謎の男ギルレイは、シリルという女性のドレスを注文してきた。
採寸に指定された場所は、かつて『薔薇色』があった場所の近くだった。
ロンドンを訪れたクリスは女優だというシリルに振り回されながら闇のドレスに近づいていく。

穏やかな始まり方。
実際に会って話すのもいいけど、手紙も情緒があっていいよね。
手紙の内容で悩んだり、クリスの手紙を嬉しそうに読むシャーロックが微笑ましい。
あくまで貴族らしさを崩さないのが良いのか悪いのか微妙な所だけど。
パメラとイアン先生の恋も応援したい。
イアン先生は期待を裏切らないなぁ。イアン先生のように物事を広い心で見れるようになりたい。
恋よりクリスとお店を選んでしまうパメラも好きではあるのだけど、イアン先生も好きならどちらも選んで欲しい。
広い心がどうとか言った後だけど、シリルには苛々させられた。
自分勝手でその上目的がはっきり分からないという。
少なくともクリスに嫌がらせをしているんだろうなと思えるとこがこれまた嫌。
直接会っていてもあまり進展はない二人にやきもき。
このじれったさが最高なんだけどね!
シリルのドレスを仕上げるクリスの思考にはぞくりとした。
彼女の観察眼は客観的で非常に的確。だからこそ、心を映すドレスも作ることができるんだろう。
シャーロックと切り離して考えられる存在(お店と仕事)があるというのは救いなのか否か。
恋と闇のドレスがクリスにより深い影を落としていくのが気がかり。
リンダ・パレスとギルレイ、エラ・コルベール、誰も捕らえることができなかったし、すっきりしないなぁ。
シリルだけはちょっと今までと違う道を見つけられてよかったかな。
人を妬んだり人に嫌がらせをする以外の楽しみや好きなこともできるといい。

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