窓の向こうは夏の色―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

久しぶりのヴィクトリアン・ローズ・テーラーなので、短編なのはちょうどいいかも。
◎ドレッシングルームの高い恋
グレイスは自分の娘にかつての自分を重ねて、色々と強要する母親のよう。
悪気はないから厄介なタイプ。
ケイトとローリーはいい雰囲気だから周囲が口出ししないほうが上手くいきそうなのに。
ローリーの両親が問題になりそうだけど。
すべての不安を拭い去るクリスのドレスすごいわ…依頼人と向き合う姿勢あっての結果だと思う。
グレイスとケイト、二人それぞれの未来に素敵な幸せがありますように。
◎希望という名の猫
ファニーとケネス、シャーロックとクリス、どちらも身分差で悩むカップルだけど、恋愛に対するスタンスが違うからなぁ。
どうしても前者の方が幸せそうに見えてしまう。
気の毒には違いないけど、シャーロックがちょっともやっとするのも分かるというか。
指ぬきで勘違いしたシャーロックが可愛い。
正直に疑問を口にするタイプでよかったよ。じゃないとこじれてたかもしれないし。それはそれで面白そうだけど。
◎窓の向こうは夏の色
14歳のシャーロックを知る機会があろうとは。
基本変わらないのは仕方ないとして、ちょっと幼い雰囲気はあるかな。
アイスクリームを作るエピソードは彼とのギャップを感じなくもないのに、彼らしいなと思ってしまった。
◎幸福な淑女
ただ待っていただけなのに、努力して幸せそうにしている人を羨む。
うーん、このうじうじした気持ちリアルだなぁ。
恋に限らずこういうのってあるよね。
自分の好きなものに生きる女性ならこんな結婚生活も鬱々とせずエンジョイできたかもしれないのにな。
幸せな夫婦を夢見るならヘンリーを選んじゃいけないことは分かっていたはずなのに…矛盾した事をしてしまうのが人間とはいえ読んでて呆れるというか辛くなってしまう。

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