硝子の枷〈下〉―深き水の眠り

2023年6月2日

硝子の枷〈下〉―深き水の眠り (コバルト文庫)
毛利 志生子
集英社
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東西テレビで水蛇に拉致されてしまった沙月を蓮が助け、水蛇を消滅させた。
実は蓮は特殊な水蛇を従える蛇巫で玻瑠佳の親戚だったのだ。
事件の犯人と思われた水蛇が消えた矢先、次は芸能マネージャーの林文彦が殺される。
犯人の正体と真の目的は?

蓮さんの話によると成瀬には多くの分家があるみたいだから、このシリーズが続いていればもっと出てきたかもね。
あらら、蓮さんがあの人と恋人同士だったというのもすっかり忘れてたわ…それだと納得できる所もあったのにな。
二人仲良さそうには見えてたし。
沙月が蛇巫として抱える秘密も、ずっと背負っていかなければならないものもだけど、蓮さんはそれをただ一人で抱えてきたんだもんね。
沙月と出会えたのは救いだったかな。
玻瑠佳にとっての沙月との出会いのように、プラスのものであればいい。
柚木さんへの対応で由真への好感度がより上がった。
彼女が水蛇への抵抗力を持つようになった経緯もそうだけど、この適応力というかあるがままを受け入れる感じは凄いなと思う。
真史さんのやったことは許せないけど、ここまで追い詰められて不安定になっているのは気の毒ではある。
何も知らない純粋な水蛇が起こした悲劇だったな…
こういうことがあるとますます蛇巫の責任は重いと思う。
呼び出した蛇巫は主であるだけじゃなく導く存在でもあるわけで、水蛇そのものではなく蛇巫の危険性も考えていかないといけない気がする。
自覚のない蛇巫を見つけたら、知識を与えるようにすればと考えたけど、悪用される可能性もあるから難しいところだよね;
沙月のような特殊な蛇巫と共にあると水蛇は人間に近づきすぎてしまうのかもしれない。
吼の葛藤は萌えるけど、未来への不安はつきないな。
ああ、続きが読みたい。
ついつい蓮さんは飄々と生きていける強さを持った人だと思ってしまっていた。
沙月に弱さを見せたりしてたんだけどね。
沙月の恋は自覚することなく通り過ぎていったという感じかな。
終わり方を見ると、最終巻っぽいと言えなくもないか…寂しいけど。

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