ラインの虜囚

1830年、冬、祖父に孫であることを認めさせるためカナダから来た少女コリンヌはパリからライン河へと冒険の旅に出る。
条件は塔に囚われた人物が死んだはずのナポレオンなのかどうか確かめること。
同行者は街で出会った若き自称天才作家アレク、カリブの海賊王ラフィット、酔いどれ剣士モントラシェの三人。
コリンヌたちを待っていたのは謎と危険に満ちた旅だった。
 
男装した少女が仲間を集めて冒険へ…ぐらいの内容把握で読むことにしました。
序盤から話の進みが早く、メインの登場人物もすぐに揃い皆魅力的で、展開の内容やテンポも良く、すぐに物語りに入り込めました。
旅の仲間の年齢層が高めなのが、私としては嬉しいです。(少年より青年、おじさんキャラが好きなので)

男装は危険な旅のための服装だっただけで、周囲には性別がばれていたので男装要素は特にありませんでした。
仲間との出会いから旅立ちまでが思いのほか早くあっさりとまとまっていた一方で、コリンヌと一緒に旅をする内に芽生える信頼関係の進展がゆったりと自然で微笑ましく好みでした。
最後はああそうだったのかという真相が…
私は単純なのでまんまと騙されていました;
うーん、そういえばこんな事実があったなら、今までの疑問が解消されます。なるほど。

一見恋愛要素はないですが、実はコリンヌがあの三人に恋していたというのが微笑ましくていいなと思います。
まぁ、あれだけ危険な冒険を共にすれば、憧れたりときめく時があるのは仕方ないですよね。
あの人たち駄目なところもありますが、魅力的ですし。

後の世に名が残る人物たちの約一ヶ月ほどの冒険。
読んでみるとあっというまでしたが、内容としてはもっと長い間の出来事のように感じられました。
鶴田譲二さんのイラストも作品の雰囲気にあっていて素敵でした。
コリンヌがあっさりしているけれどそこがまた可愛いです。

た行

Posted by tukitohondana

inserted by FC2 system